政府、自衛隊法の改正方針示す 邦人救出を可能に

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 政府は27日、安全保障法制をめぐる与党協議で、自衛隊を派遣して海外でテロなどに巻き込まれた邦人を救出できるよう、自衛隊法を改正する方針を示した。現行の自衛隊法は、救出された邦人の輸送までは認めている。自衛隊の活動の幅をさらに広げ、救出そのものも可能とする考えだ。

 昨年7月の閣議決定では領域国の同意があり、領域国政府の権力が維持されている範囲で、警察的な活動に限って救出活動ができるよう法整備を進めることが盛り込まれた。また、武力行使に当たらぬよう、自衛隊が武器を使う相手については「国家または国家に準ずる組織」ではないことを条件とした。

 政府はこれを受けて自衛隊法改正の方針を示したが、この日の与党協議では公明党側から「積極的に救出や奪還をするのは、武器の使用権限などから次元が異なる」といった慎重な意見が出た。

 一方、政府は自衛隊による船舶検査について、活動範囲を広げる法改正を検討していることも伝えた。

 現行の船舶検査活動法は、日本の平和と安全に重要な影響を与える「周辺事態」が生じた際、国連安全保障理事会による決議か、船舶が帰属する国(旗国)の同意を前提に、船舶の積み荷などを調べることを認めている。ただ、「船長の承諾」を条件としており、武器使用も正当防衛など隊員の身を守る場合に限定している。