きょう衆議院解散 総選挙へ

参照元 きょう衆議院解散 総選挙へ

安倍総理大臣は21日に衆議院を解散します。
今回の衆議院選挙では、安倍政権が進めてきた経済政策「アベノミクス」の継続の是非などが争点となる見通しで、各党とも来月2日の公示、14日の投票に向けて、選挙準備を加速させることにしています。

安倍総理大臣は21日午前の閣議で衆議院を解散する決意を表明し、解散を決める閣議書に閣僚が署名して、正式に衆議院の解散を決定します。
このあと国会では参議院本会議が開かれ、内閣の重要課題の1つである地方創生の関連法案が、自民・公明両党などの賛成多数で成立する見通しです。
そして午後に開かれる衆議院本会議で、菅官房長官から解散詔書が伊吹衆議院議長に伝達され、伊吹議長が解散詔書を読み上げて衆議院は解散される運びです。
これを受けて政府は臨時閣議を開き、来月2日公示、14日投票とする衆議院選挙の日程を決め、安倍総理大臣が夕方に記者会見することにしています。
衆議院選挙が行われるのは2年前の平成24年12月以来です。
衆議院の解散を前に、安倍総理大臣は20日に東京都内で開かれた会合で、「私たちが進めている成長戦略が間違っているのか、正しいのか、それともほかに道があるのか、選挙戦を通じて明らかにしていく。この戦いをしっかりと勝ち抜き、政策をさらにスピードアップして、全国津々浦々に景気回復の風を伝えていくことをお誓いする」と述べました。
今回の選挙では、安倍政権が進めてきた経済政策「アベノミクス」の継続の是非などが争点となる見通しで、各党は選挙準備を加速させることにしています。
自民党は、295の小選挙区のほぼすべてで与党の候補者を擁立するめどが立ったとしています。
そして来週25日に、安倍総理大臣も出席して全国幹事長会議を開き、第1次の公認候補を発表するとともに政権公約を決定するなど、選挙準備を加速させる方針です。
また政権公約の素案では、「景気回復、この道しかない。」をスローガンに、雇用の改善や賃金の上昇などに関する具体的な数値を示して、「アベノミクス」の継続を訴えることにしています。
谷垣幹事長は「『アベノミクス』は着実に進んでおり、この流れを止めてはいけない。経済の再生、安定した社会保障制度の確立などは、どれをとっても国民生活の基盤であり、総選挙で国民の理解を得ていきたい」と述べました。
公明党は、平成29年4月の消費税率の引き上げと同時に軽減税率の導入を目指すことで政府与党が一致した成果を強調するとともに、家計への支援を中心とした経済対策や社会保障の充実などを盛り込んだマニフェストを近くまとめることにしています。
山口代表は「候補者全員の当選を目指してしっかり勝ち抜きたい。今後の政権運営の在り方や政権選択について提示し民意を問いたい」と述べました。
これに対し野党側は、今回の解散に大義はないとして批判を強めるとともに、「アベノミクス」は格差の拡大をもたらしているなどとして、経済政策や安倍総理大臣の政治姿勢を争点に据える構えです。
民主党は、「『アベノミクス』を転換し、厚く豊かな中間所得層を復活させる」として、女性や子どもの貧困対策をはじめ、介護報酬の引き上げや、農家の戸別所得補償制度の法制化などを重点政策としてマニフェストに盛り込む方針です。
海江田代表は「安倍政権の2年間、人々のくらしは少しもよくなっておらず、むしろ厳しくなっているというのがいまの日本の本当の姿ではないか。安倍総理大臣は国民の声に耳を傾けず、現実に目を向けていない」と述べました。
維新の党は、道州制などの統治機構改革などを柱とした公約の策定を急ぐとともに、21日にも第1次の公認候補を決める方針で、江田共同代表は「消費増税の際に約束した国会議員の定数の削減について、安倍総理大臣や自民党は全くやる気がなかった。約束違反の解散だ」と述べました。
▽次世代の党は、追加の金融緩和を撤回するなど、「アベノミクス」の軌道修正を求めるなどとした公約をまとめる方針で、山田幹事長は「経済状況が厳しいのであれば、本来は緊急の経済対策を打ち出すべきだ」と述べました。
共産党は、消費税に頼らない税制改革や「アベノミクス」の中止などを柱とした公約の取りまとめを進めていて、志位委員長は「消費増税を許していいかどうかの是非が選挙で問われる」と述べました。
▽生活の党では、野党としての議席確保を優先すべきだとする小沢代表の意向も踏まえ、鈴木幹事長と小宮山国会対策委員長が、21日に離党届を提出するとともに、民主党に復党を申請することになり、民主党の公認候補として衆議院選挙に臨む方向で調整が進められることになりました。
社民党は、集団的自衛権の行使容認や原発の運転再開の撤回などを訴えることにしており、吉田党首は「『アベノミクス』の失敗や政治とカネの問題を覆い隠すための自己都合解散だ」と述べました。