軽減税率「17年度の導入めざす」 自公が共通公約に

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 安倍晋三首相は21日午後、衆院を解散する。12月2日公示、14日投開票の日程となる。自民、公明両党は20日、生活必需品の消費税率を低くする軽減税率について、消費税率が10%になる2017年度の導入を目指す方針で一致。衆院選の共通公約に盛り込む方針だ。ただ、導入時期で両党に認識の違いが残り、対象品目の絞り込みなど導入に向けた課題も多い。

 首相は21日午前の閣議で衆院解散を正式に表明して、解散詔書を決定する。午後の衆院本会議で伊吹文明議長が詔書を朗読して解散を宣言する。首相は20日の商工会全国大会で「全国津々浦々まで景気回復の実感が届いていない。豊かな明るく元気な地方を作ることが最重要課題だ」と語った。

 軽減税率をめぐっては、20日の与党協議で「17年度からの導入を目指し、早急な検討を進める」ことで一致。これに先立ち、自民党野田毅税制調査会長がこの方針を首相に報告し、了承された。

 公明党は軽減税率導入を最優先課題とし、同党税調幹部は「消費税率が10%になる17年4月1日の同時導入を実現させる」と強調。公明党の選挙公約に書き込む方針だ。一方、導入に慎重な自民党税調幹部は「あくまで『17年度からの導入を目指す』であって、同時導入はあり得ない」と語った。実際の導入時期をめぐっては、今後も両党間で駆け引きが続きそうだ。

 軽減税率の導入には、軽減する対象品目、穴埋めの財源探し、経理のルール作りなどで課題がある。対象品目について両党は「すべての飲食料品」から「精米のみ」まで八つの案を作ったが、絞り込み作業は進んでいない。税率が複数になるため、お店や企業が売り買いした品ごとに経理の処理を分けるためのルール作りも必要だ。