自民 参院「2合区10増10減」案を決定

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参議院の選挙制度改革を巡り、自民党は、隣接する2つの選挙区を1つにする、いわゆる「合区」を2か所で行うなどして、選挙区の定数を「10増10減」するとした改革案を決めました。「合区」は、最大会派の自民党が受け入れを決めて、参議院の過半数が賛成する見通しとなったことで、導入が確実になりました。
参議院の「1票の格差」を巡っては、最高裁判所が、5年前とおととしの選挙の2回続けて「違憲状態」とする判断を示したことから、各党が、来年夏の参議院選挙に向けて、格差是正に向けた改革案の取りまとめを進めてきました。
自民党は9日夕方、参議院議員総会を開き、執行部側は、隣接する2つの選挙区を1つにする、いわゆる「合区」を2か所で行うなどして、選挙区の定数を「10増10減」するとした案を提案しました。これに対し、出席者からは、「来年の参議院選挙が無効になると大変なことであり、合区の受け入れはやむをえない」といった賛成意見の一方で、「党が進める地方創生にも逆行し、地方の格差の拡大にもつながることは容認できない」などの反対意見が出され、最終的に、溝手参議院議員会長に対応を一任しました。
このあと、溝手氏らは、同様の案をまとめている、維新の党など野党4会派の代表らと会談し、自民党としても、「合区」を2か所で行うなどして、選挙区の定数を「10増10減」する案を決めたことを伝え、今後、実現に向けて協力していく方針を確認しました。自民党を含めた5つの会派では、ほかの党にも協力を呼びかけて、実現に必要な公職選挙法の改正案を今の国会に提出し、成立を目指す方針です。
「合区」は、最大会派の自民党が受け入れを決めて、参議院の過半数が賛成する見通しとなったことで、導入が確実になりました。
一方、公明党は、先に、20の県を10に「合区」するなどとした案の実現に向けて、民主党と協力していくことで合意しています。このため、自民党は、この問題が連立政権の運営に影響を及ぼすのは避けたいとして、公明党に対し理解を求めていくことにしています。

1票の格差“3倍以内に抑えられる”

自民党が決定した案は、隣接する2つの選挙区を1つにする、いわゆる「合区」を、人口が少ない、▽鳥取県島根県、▽徳島県高知県の2か所で行って、定数を合わせて4削減するほか、▽新潟、宮城、長野の3つの選挙区の定数を、それぞれ4から2に削減するとしています。一方で、▽東京、北海道、兵庫、愛知、福岡の5つの選挙区では、定数を2ずつ増やし、全体では選挙区の定数を「10増10減」するとしています。この結果、1票の格差は、平成22年の国勢調査の結果で計算すれば、最大で2.974倍と、3倍以内に抑えられるとしています。