小渕経産相 収支食い違いでおわび 事実確認急ぐ

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小渕経済産業大臣は、参議院経済産業委員会で、関係する政治団体などが開催した「観劇会」で、参加者から集めた会費と劇場への支払いの収支が食い違っていた問題で、「大変お騒がせしておわび申し上げたい」と述べたうえで、「私の方で補填(ほてん)したということになれば、法律に引っ掛かるという認識は持っている」と述べ、事実関係の確認を急ぐ考えを示しました。

この問題は、小渕経済産業大臣が関係する政治団体などが平成22年と23年に開催した「観劇会」で、参加者から集めた会費が合わせて740万円だった一方、劇場に対する支払いは3300万円を超えて、収支が食い違っていたことが、政治資金収支報告書の記載で分かったものです。
これについて小渕大臣は、参議院経済産業委員会で、「私事に関して、大変お騒がせしておわび申し上げたい」と述べました。
そのうえで小渕大臣は、公職選挙法に抵触するかどうかただされたのに対して、「まず、実費を皆さん方が納めていただいているかどうかが大事なところだと思うし、私の方で、それを補填したということになれば、法律に引っ掛かるという認識は持っている」と述べ、後援会などに依頼した調査を踏まえ、事実関係の確認を急ぐ考えを示しました。
また、小渕大臣の資金管理団体未来産業研究会」や「小渕優子後援会」など関係する3つの政治団体が、小渕大臣の親族の企業に「品代」などとして支出を行っていたことについて、「私の姉がデザインしたネクタイなどが売られており、基本的に、贈答品、海外に出張する際のお土産に、ネクタイやハンカチを使わせていただいた。政治活動に必要な範囲内の支出であると認識している」と述べました。
さらに小渕大臣は、午前中の委員会審議のあと記者団に対し、後援会などに依頼した調査について、「できるだけ早く出してほしいということも含めてお願いをしている」と述べました。

自民「緊張感を持って対応すべき」

自民党の各派閥などの会合では、小渕大臣は説明責任を果たす必要があるという指摘や、政府・与党は緊張感を持って対応すべきだという意見などが出されました。
このうち、岸田外務大臣は「残念ながら、政策以外の部分に時間が使われたり、国会が止まったりする場面がある。当然ながら、政治家として、みずからの信頼や政治の信頼に関わる部分については、誠心誠意、説明責任を果たさないといけない」と述べました。
石破地方創生担当大臣は「政府・与党として、一種の危機管理であり、きちんと国民世論が納得するような対応を取らないと、かつての自民党みたいなことになってしまう。党内がガタガタしないように、政権を支えていく姿勢が必要だ」と述べました。
小渕経済産業大臣が所属する額賀派会長の額賀・元財務大臣は記者団に対し、「事実関係を調査しているということなので、それを見守りたい」と述べました。
大島前副総裁は「政策議論をしっかりとやることが大事で、野党にもそういう点を心しながら、充実した審議を図るよう心がけて欲しい。政府・与党としても気を引き締めて対応していかなければならない」と述べました。
稲田政務調査会長は記者会見で「小渕経済産業大臣が、事実関係をきちんと把握したうえで、適切な説明をするのではないか。政治資金の問題は、野党から追及が相次いでいるが、きちんと有権者に説明を尽くす必要がある」と述べました。

公明「説明責任を果たすべき」

公明党の漆原中央幹事会会長は記者会見で「内容を詳しく知らないが、国民の目から見て疑問が指摘されたということであれば、速やかに国民に説明をして、その疑問に答えていくことが大事だ。閣僚たる者、1日も早く疑惑の解消のために積極的に説明責任を果たすべきだ」と述べました。
また漆原氏は、記者団が「小渕大臣は閣僚を辞任すべきか」と質問したのに対し、「今の段階で、私の口から申し上げるわけにはいかない。事実関係がどうなのか、どういう説明をするのかを見る必要があるのではないか」と述べました。

民主「買収の疑いなど持たれて当然」

民主党の枝野幹事長は記者会見で、「まさに政治とカネについて大きな疑念を持たれているので、小渕大臣には速やかに調査を終えて説明して頂かなければならない。政治資金収支報告書を素直に見るかぎりは、買収の疑いや裏金を作った疑いを持たれて当然で、そうではないのであれば、できるだけ早く証拠を付けて説明する必要がある」と述べました。
川端国会対策委員長は記者会見で、「行政府の責任者である閣僚は、一層の説明責任が求められており、疑念が示されたことに関して、まずはみずからがしっかりと説明すべきだ。小渕大臣の政治資金収支報告書については党で精査しており、いろいろな機会を通じてただしていきたいし、小渕大臣には納得できるような説明をしていただきたい」と述べました。

維新「説明責任果たせないなら進退を」

維新の党の江田共同代表は記者会見で「政治家は誰しも疑惑を招いた場合は、しっかりと説明すべきであり、国民が納得する説明責任を果たせないのであれば、みずから出処進退を判断しなければならない。公職選挙法に違反するかどうかという重要な問題なので、事実関係については今後、小渕大臣にしっかり問いただし、党としての対応を考えたい」と述べました。

次世代「政倫審に出席し説明を」

次世代の党の山田幹事長は記者会見で、「政治資金規正法上、極めて大きな問題をはらんでおり、小渕大臣は国会の政治倫理審査会にみずから出席して説明すべきだ。出席しないのであれば、経済産業委員会などの審議でも、さらに問題として取り上げ、野党各党と共同して対応していく」と述べました。

社民「国会で厳しく追及を」

社民党又市幹事長は記者会見で、「事実関係を点検しながら、大臣としての資質の問題として、国会で厳しく追及していかなければならない。小渕大臣は、疑惑を持たれているのだから、委員会などの場で納得のいく説明をすべきだ」と述べました。

地元の群馬県では

小渕経済産業大臣政治資金を巡る問題が報じられたことに関連して、小渕大臣の地元、群馬県中之条町では、事態の推移を慎重に見守りたいという声が上がっています。
小渕大臣の中之条地区後援会で会長を務める蟻川七郎次さん(81)は、週刊誌に掲載された記事でこの問題を初めて知ったということです。
そのうえで「政治資金の使い方は適正に行われていると信じている。誤りがあったとすれば早急に正すべきだが、事態の推移を慎重に見守りたい」と話していました。
また、今回指摘されている観劇会に毎年参加しているという町内の80歳の女性は、「参加費は1人1万2000円で後援会の人が集めに来ている。費用の内容が高いか低いか考えたことはない」と話していました。