集団的自衛権 具体的事例の全容判明

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集団的自衛権などを巡る与党協議で、政府が27日示す15の具体的事例の全容が明らかになり、集団的自衛権については、シーレーン=海上交通路で武力攻撃が発生した際、自衛隊が各国と共同で民間の船舶の護衛をすることなど8つの事例が盛り込まれています。

政府は、27日開かれる与党協議の2回目の会合で、集団的自衛権の行使を容認しなければ実行できないと考える事例などを示すことにしており、その全容が明らかになりました。
それによりますと、具体的な事例は合わせて15例で、このうち集団的自衛権を巡っては、日本周辺で有事が起きた際やアメリカが武力攻撃を受けた際の、アメリカ艦船の防護や他国の不審な船舶に対する強制的検査などのほか、シーレーン=海上交通路で武力攻撃が発生した際、自衛隊が各国と共同で民間の船舶の護衛をすることなど、最も多い8つの事例が盛り込まれています。
また、武力攻撃に至らない侵害、いわゆるグレーゾーン事態への対応では、日本の離島に武装集団が上陸し、不法行為を行った場合への対処など3事例を、「国連PKOを含む国際協力など」の分野では、武力行使を容認する国連決議に基づく多国籍軍への後方支援など4事例を盛り込んでいます。
そして、具体的事例には、それぞれ自衛隊法や周辺事態法など、改正が必要となる法律の条文のほか、法改正を検討するよう求める、政府としての問題意識も盛り込まれています。
27日の協議で、自民・公明両党は、15の事例のうち、「グレーゾーン事態」と「国際協力など」の合わせて7つの事例の説明を受けたあと、グレーゾーン事態への対応を検討することにしています。そのうえで、自民党集団的自衛権の議論に早期に入るため、27日はグレーゾーン事態に加えて国際協力の議論にまで入りたいとしています。
これに対し、集団的自衛権の行使容認に慎重な公明党は、「いずれのテーマも重要な課題であり、1つ1つ丁寧に議論すべきだ」として、27日はグレーゾーン事態に絞って、どのような法整備が必要かなどの詰めた議論を行いたいとしていて、双方の駆け引きが展開される見通しです。