集団安全保障巡る議論 与党間で再燃も

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自民・公明両党は、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定案について、来月1日に合意する見通しですが、国連決議に基づく、集団安全保障措置としての武力行使も可能にすべきだとする自民党と、これに慎重な公明党との間で、閣議決定後に議論が再燃することも予想されます。

集団的自衛権などを巡る与党協議で、公明党は、政府が示した、憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定案を評価する考えを伝え、来月1日に与党合意が成立し、その日のうちに閣議決定が行われる見通しです。
これまでの与党協議で、自民党は、国連決議に基づく、シーレーン=海上交通路での機雷の掃海活動など、集団安全保障措置としての武力行使を可能にすることも閣議決定に盛り込むことをいったん提案しましたが、公明党の反発を受けて見送られました。
ただ、政府が、閣議決定後の国会審議などを想定してまとめた見解案では、集団安全保障措置としての武力行使について、かつての湾岸戦争イラク戦争での戦闘に参加するようなことはないとする一方で、シーレーンでの機雷掃海のような活動は、武力行使の新たな3要件を満たす場合は認められるとしています。
この見解案に関連して、27日の公明党の会合では、閣議決定案に盛り込まれなかった集団安全保障措置について、「行わないことで間違いないか」といった質問が出され、公明党は、「『自衛』の範囲を超え、戦闘行為に巻き込まれるおそれが高い」として、慎重な姿勢を崩していません。
一方、27日の自民党の会合では、「集団的自衛権の行使として、機雷掃海を始めた場合に、国連決議が出されたとたん、途中で活動できなくなるおそれがある」といった意見が相次ぎ、集団安全保障措置としての武力行使も可能とするよう、今後も、新たな法整備も視野に検討していくことを確認しました。
このように自民・公明両党は、閣議決定案に集団安全保障措置を盛り込まないことでは一致しているものの、立場の違いが浮き彫りになっており、閣議決定後に議論が再燃することも予想されます。