大阪ダブル選、悩める自共連携 「野合」批判に反論も

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 大阪府知事大阪市長のダブル選で、自民党共産党の連携が隠れた「争点」になっている。大阪維新の会は、共産党による自民党推薦候補の「自主的支援」を「野合」などと批判。支持層の切り崩しを狙う。共産党は大詰めに来て、反論に打って出た。

 共産党が加盟する政治団体が15日、大阪市内で開いた「決起集会」。共産党清水忠史衆院議員が声を張り上げた。「自民党を応援する選挙やと思てません。『維新政治を終わらせる』のが、選挙の大義」

 共産党は要請なしに勝手に応援するという立場。近隣府県から連日、党員らを動員し、政策ビラを平日は約270カ所で配る。来夏の参院選に向けた党勢拡大につなげる思惑もある。党府委員会の会議では幹部が「入党、赤旗の購読を働きかける独自の追求を図っていこう」と呼びかけたという。

 自民党大阪府連も公式には「こちらから支援は要請しない」(中山泰秀会長)と距離を置いている。だが、共産党関係者が候補者の練り歩きを先導し、共産支援者が集まる集会で自民党の議員がマイクを握るなど、個別の連携はあった。

 大阪維新は国政で対立する両党の連携を「野合・談合・選挙互助会」と激しく攻撃する。橋下徹大阪市長大阪維新代表)も「自民党共産党なんて、月とスッポン、水と油、地球人と火星人ぐらいの違いがある」と訴えている。

 自民党府連幹部は「共産党がイヤという人もいる。プラスマイナスはわからない」と漏らす。ある共産党の地方議員は演説会への動員を申し出たが、自民党国会議員に「よしてください」と断られたという。大阪維新幹部は「徹底した批判がかなり効いてきた」と分析している。

 このため、共産党が加盟する政治団体は反論の政策ビラ約300万部を19日付で発行する。表題は「『オール大阪』で前進」。識者の「首長は政党の代表でなく、全住民の代表」という趣旨の意見を紹介。大阪都構想住民投票での自民、公明、民主、共産の連携事例を取り上げている。

 自民党府連も10日から「大阪の真実」と題したサイトを開設。18日時点で「地方自治においては、各党が思想信条を超えて協調をはかることは特殊なことではない」としたうえで、都構想や維新政治に「“それぞれ”が『反対』の態度を表明している、というのが正しい構図」と記した。(太田成美)