安全保障関連法案を巡って、与党側は、
参議院の特別委員会で16日夜、締めくくり総括質疑を行い、
民主党などの出方によっては16日夜にも採決に踏み切ることを検討しているのに対し、
民主党などは、あらゆる手段で対抗する考えで、法案を巡る
与野党の攻防は、最大のヤマ場を迎えます。
一方、次世代の党など野党3党は
安倍総理大臣らと党首会談を行い、
自衛隊を派遣する際に国会の関与を強めるため、付帯決議と
閣議決定を行うことで合意する運びとなっていて、法案の採決で賛成する方針です。
今の国会の最大の焦点となっている安全保障関連法案を審議している
参議院の特別委員会は、15日の中央
公聴会に続いて、16日午後、
横浜市で地方
公聴会を行うことにしています。
自民党の谷垣幹事長は15日、「採決に向けた環境は整いつつある。今週の採決、成立に向けて、政府・与党が結束して緊張感を持って臨んでいきたい」と述べ、今週中に法案の成立を図る方針を重ねて示しました。そして、与党側は15日夜開かれた特別委員会の理事会で、地方
公聴会の終了後、16日午後6時から、
安倍総理大臣も出席して締めくくりの総括質疑を行いたいと提案し、野党側が反発しましたが、最終的に、
自民党の鴻池委員長が職権で質疑を行うことを決めました。
与党側は、
民主党などの出方によっては、質疑に引き続いて16日夜にも採決に踏み切ることを検討しています。
一方で、
安倍総理大臣と
公明党の山口代表は16日、次世代の党の中山次期党首、日本を元気にする会の松田代表、
新党改革の荒井代表と党首会談を行います。会談では、
自衛隊を派遣する際に国会の関与を強めるため、付帯決議と
閣議決定を行うことで合意する運びとなっていて、3党は法案の採決で賛成する方針です。
これに対し
民主党は、枝野幹事長が「
立憲主義を破壊する法案を、数の力だけで押し切るならば、遠からず歴史に断罪されるのは間違いない。最後の最後まで全力で戦い抜く」と述べるなど、あくまでも法案の成立阻止を目指す方針です。
民主党内では、締めくくり総括質疑への出席を巡って、「出席して党の考えを主張すべきだ」という意見と、「抗議の意味で欠席すべきだ」という意見があり、午前中、幹部らが協議することにしていて、
維新の党など、ほかの野党と連携して一致した対応を取りたいとしています。
そして、与党が、委員会での採決に踏み切れば、
参議院で
安倍総理大臣に対する問責決議案、
衆議院で安倍内閣に対する
不信任決議案などを提出し、あらゆる手段で対抗する考えで法案を巡る
与野党の攻防は最大のヤマ場を迎えます。