首相「憲法改正できないから解釈変更ではない」

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首相「憲法改正できないから解釈変更ではない」

7月29日 12時42分

安全保障関連法案を審議する参議院の特別委員会で、安倍総理大臣は、今回の法案で可能となる集団的自衛権の行使について、「憲法の許容する範囲内で行うもので、憲法改正ができないから解釈変更を行うものではないということは明確に申し上げたい」と述べました。
この中で、公明党の西田参議院幹事長は「国民には『二度と戦争はごめんだ』という大変強い思いがある。それをしっかりと受け止めるべきだ。今回の平和安全法制はいかに抑止力を向上させ、紛争を未然に防ぐことができるのか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「平和国家としての歩みは決して変わることはなく、今後も地球儀をふかんする視点から積極的な平和外交を展開していく。そのうえで、万が一の備えも怠ってはならず、今回の法整備が実現すれば、国民の命と平和な暮らしを守るため、あらゆる事態に対して切れ目のない対処が可能となる」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は「日米同盟の絆をさらに強化することによって、戦争を未然に防ぐ抑止力はより強化され、また、日本が国際社会とさらに連携し、地域や世界の平和のために協力することによって、より世界は平和になっていく」と述べました。
また、安倍総理大臣は、集団的自衛権の行使について、「自衛の措置としての武力の行使は、あくまでも最後の手段で紛争の平和的解決のために外交努力を尽くすことは当然の前提だ。そうした、他の手段を尽くさずして、武力を行使するのは、憲法上、許容されないのは当然で、これを国会や国民に対し、しっかりと説明する責任を政府に義務づける今般の法案は、武力の行使の明確な歯止めとなっている」と述べました。
維新の党の片山参議院議員会長は「日本を取り巻く安全保障環境の激変を考えれば、切れ目のない安全保障体制を作るというのは、私は賛成だ。ただ、憲法9条を改正するならよいが、『違憲違憲』と言われるなか、現行の枠内でやるべきではないと思う」と指摘しました。
これに対し、安倍総理大臣は「平和安全法制の整備はあくまでも憲法の許容する範囲内で行うもので、これは当然のことだ。憲法改正ができないから解釈変更を行うものではないということは、はっきりと明確に申し上げておきたい」と述べました。
また、安倍総理大臣は、法案を修正する可能性を問われたのに対し、「政府としては、私どもが提出した法制がベストなものと考えているが、今まさに参議院の特別委員会で議論していただいており、維新の党からは案が提出されるだろう。また、協議も進んでいくわけで、協議において合意が得られれば、当然、真摯(しんし)に対応したい」と述べました。
共産党の小池副委員長は「法案への反対の声は日を追うごとに広がっている。安倍総理大臣の地元からも法案に反対し、廃案を求める要望書が出されているが、地元中の地元からの批判の声をどう受け止めているのか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「私の地元にもさまざまな意見があり、真摯に耳を傾けることは地域の代表でもある国会議員としての役割だが、今回の法制は間違いなく、国民の命を守り、平和な暮らしを守り抜くためのものだ。必要な自衛の措置とは何かを、とことん考え抜いたうえで今回の法制を行わなければならないと決意した」と述べました。