安保法制 与党協議 「例外ない事前承認」了承

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安全保障法制の整備に向けた与党協議が開かれ、座長を務める自民党の高村副総裁が、外国軍隊への後方支援のための新たな恒久法「国際平和支援法」で自衛隊を派遣する際、公明党の主張に沿って、例外のない事前承認を必要とする案を示し、了承されました。焦点となっていた国会承認の在り方で一致したことで、与党協議は大筋で決着し、高村氏は来月11日の最終合意を目指す考えを示しました。
21日の与党協議で、座長を務める自民党の高村副総裁は、焦点となっている新たな恒久法「国際平和支援法」で自衛隊を派遣する際の国会承認の在り方について案を示し、「与党協議で検討したうえで、できれば一定の方向性を出したい」と述べました。
また、座長代理を務める公明党の北側副代表は「与党協議もそろそろ最終の局面に入ってきた。残された論点や課題について、しっかりと論議したい」と述べました。
高村氏が示した案によりますと、公明党が歯止め策として例外のない事前承認を求めてきた主張に沿って、緊急の必要がある場合、国会閉会中や衆議院が解散されている場合であっても事前承認に例外は設けないとしています。
ただ、総理大臣が国会に承認を求めた場合は、衆参両院がそれぞれ7日以内に議決するよう努める努力義務規定を置くとしています。
また、派遣後2年を超えて活動を継続する場合には国会の承認を求めなければならないとしたうえで、自衛隊が撤収せざるをえなくなることを避けるため、例外として事後承認を認めるとしています。
これについて自民党側から「例外なく国会の事前承認を要件とすることで、緊急事態に本当に対応できるのか」などと懸念も示されたものの、高村氏が示した案が了承されました。
自民・公明両党の間で焦点となっていた恒久法の国会承認の在り方で一致したことで、与党協議は大筋で決着しました。
一方、きょうの与党協議では、政府が来週、アメリカ政府との間で取りまとめる新たな日米防衛協力の指針、ガイドラインの中に、集団的自衛権を行使する際に想定される具体的な協力項目として、機雷の掃海活動を盛り込む方針などを説明しました。
これについて異論は出されませんでしたが、公明党の出席者が「中東のホルムズ海峡での活動も含むのか」とただしたのに対し、政府側は活動する地域は明言しなかったものの、「日本の防衛に資する活動として盛り込むことにした」と説明したということです。

「最終了承 来月11日を目指したい」

自民党の高村副総裁は与党協議のあと記者会見し、「『例外なき国会の事前承認』を認めると具体的にどのような場合に自衛隊を派遣する迅速性が担保できないか、政府から明快な説明がなかった。そうである以上、迅速性よりも民主的な統制の重要性のほうにバランスを置くべきだと私が判断した」と述べました。
また高村氏は、与党協議の今後の運びについて「私と北側氏とで取りまとめた案について、与党協議の中では異論なく認められた。着々と決着点に向かって進んでいるように思う」と述べました。
そのうえで、高村氏は「政府が来月15日前後に関連法案を閣議決定したいとしているので、それに間に合うように進めたい。与党協議としての大筋での合意は大型連休前になるが、法案の条文もすべてそろって最終的に与党協議として了承するのは来月11日を目指したい」と述べました。

「われわれの主張 認められた」

公明党の北側副代表は与党協議のあと記者会見で、「われわれの主張が認められた形だ。これまでのような特別措置法ではなく、新たに恒久法を制定するので、例外なく事前承認とするのは当然だ。また、自衛隊の派遣にあたっては、どういうことをしようとしているのか、基本計画に書き込むことが大事だ。派遣の際は基本計画を添えて国会の承認を得ることになっているので、民主的統制はとれる」と述べました。