首相 ヘイトスピーチ解消へ啓発強化

参照元 首相 ヘイトスピーチ解消へ啓発強化

安倍総理大臣は、衆議院予算委員会の基本的質疑で、ヘイトスピーチと呼ばれる民族差別的な言動について、「みずからをおとしめ、日本をおとしめることにつながる」と批判し、解消に向けて啓発活動を強化していく考えを示しました。

この中で、公明党の国重衆議院議員は、ヘイトスピーチと呼ばれる民族差別的な言動について、「聞くに堪えないばり雑言を吐いて街を練り歩く街宣活動をしても、人種集団全体に向けられたものであれば現行法での対処は著しく困難だ。法整備は正当な言論活動まで規制、弾圧される危険性があり慎重な検討が必要だが、『人種差別は許さない』といった理念法も考えられる」と指摘しました。
これに対し、安倍総理大臣は「そういう発言があること自体、極めて不愉快、不快で残念だ。発言自体が実はみずからをおとしめ、日本をおとしめることにつながる。現行法の適切な適用のほか、啓発活動により差別の解消につなげていくことが重要だ。理念法の立法などさまざまな議論があるが、立法措置は各党における検討や、国民的な議論の深まりを踏まえて考えていきたい」と述べ、ヘイトスピーチの解消に向けて啓発活動を強化していく考えを示しました。また、安倍総理大臣は、沖縄県尖閣諸島の周辺海域で中国の公船による日本の領海への侵入が相次いでいることについて、「尖閣諸島は歴史的にも国際法上もわが国固有の領土で、現にわが国は有効に支配している。尖閣諸島を巡り解決すべき領有権の問題はそもそも存在しないことは明らかだ。国際法にのっとって主張し、力によって現状変更を試みようとしてはならない。たび重なる領海侵入は極めて遺憾で、わが国の領土、領海、領空は断固として守り抜くとの決意のもときぜんかつ冷静に対処していく」と述べました。
一方、安倍総理大臣は、先の衆議院予算委員会でのみずからのやじに関連して、「日教組日本教職員組合日本教育会館の役員は同じで、当時の神本文部科学政務官が日教組の地方組織からパーティー券を購入してもらい、日教組の役員なども兼ね、指揮・監督する立ち場と兼ねていることは利益が相反するのではないかと、当時、国会で議論となった。その際、当時の平野文部科学大臣から法的に問題ではないという答弁があったことを申し上げようとした。私の答弁の中に正確性を欠く発言があったことは遺憾で訂正する」と述べました。
これに対し、民主党の山井元厚生労働政務官は、安倍総理大臣が「日教組補助金をもらっていて、日本教育会館から献金をもらっている議員が民主党にはいる」などと答弁したのは事実誤認だとして批判し、謝罪を求めたのに対し、安倍総理大臣は「補助金は私の誤解だった」と述べました。