安保法制整備 後方支援の骨格案判明

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安全保障法制の整備で焦点となる、自衛隊による外国軍隊への後方支援について、政府がまとめた法整備の骨格案が明らかになりました。このうち、国際社会の平和と安定のために行う後方支援は、恒久的な法律・恒久法を新法として制定し、支援の対象には、国連決議に基づかない自衛権や領域国の同意を根拠として活動する外国軍隊も含めるとしています。

自民・公明両党は先週、安全保障法制の整備に向けた与党協議を再開し、この協議で焦点となる自衛隊による外国軍隊への後方支援について、政府が法整備の骨格案をまとめました。
それによりますと、日本の平和と安全を確保するために行う後方支援は、周辺事態法を改正して対応する一方、これまで、そのつど特別措置法を作って対応してきた国際社会の平和と安定のために行う後方支援は、恒久的な法律・恒久法を新法として制定するとしています。
このうち新法では、後方支援の対象には、国連決議に基づいて活動する多国籍軍だけでなく、自衛権に基づいて、テロの脅威を取り除く活動を行う外国軍隊や、領域国の同意を得て治安回復などの活動を行う外国軍隊なども含めるとしています。
また、支援内容としては、補給や輸送、医療支援のほか、戦闘行為による遭難者の捜索救助、航空機や艦艇による情報収集も行うとしています。
一方で、後方支援に当たって考慮する要素として、国会による承認など、国会の関与の在り方を挙げています。
また、周辺事態法の改正では、後方支援の対象を、日本の平和と安全のために活動するアメリカ以外の国の軍隊にも広げ、今の法律で日本の領域や公海上でしかできないとしている支援を、外国の領域でも行えるようにする必要があると指摘しています。
そして、今の法律が支援の項目から除外している弾薬の提供や、戦闘準備中の航空機への給油も行えるようにするとしています。
政府は、この骨格案に基づいて、20日以降の与党協議で説明を行うことにしています。
ただ、公明党は、恒久法を制定する場合には、国会の事前承認を義務付けたり、国連決議に基づく活動に限定したりするなど、派遣の要件の厳格化を求めるほか、周辺事態法の改正では弾薬の提供を可能にすることなどに慎重で、活発な議論が交わされることが予想されます。