首相「補正予算案は力強い経済政策」

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第3次安倍内閣の発足後初めてとなる国会論戦が始まりました。
衆議院本会議で財政演説に対する各党の代表質問が行われ、安倍総理大臣は今年度の補正予算案について、「個人消費のてこ入れと地方経済を底上げする力強い経済政策だ」と述べ、意義を強調しました。

この中で、民主党の前原元外務大臣は先の衆議院選挙について「大義なき解散だった。史上最低の投票率で、有権者の2人に1人が投票に行かず、6人のうち1人しか投票していない政党が議席の大多数を占めてしまった現状こそ民主主義の危機だ」と指摘しました。これに対し安倍総理大臣は「消費税について重要な政策変更を決定すれば、きぜんとして国民に信を問うことこそ民主主義の王道だ。衆議院選挙は国民の政権選択のための選挙で、与党だけが具体策を提案し、野党はただ批判するのでは国民に選択肢があることにならない。単なる批判の応酬ではなく、具体的な政策の違いを国民の前で明らかにし正々堂々の論戦を行い、民主党と建設的な議論をさせていただきたい」と述べました。
また、安倍総理大臣は衆議院の選挙制度改革について、「真摯(しんし)に議論を行い、早期に結論を得ることが重要で、大切なことは小さな政党にも配慮しながら議論が進められることだ。現在、町村衆議院議長のもとに設置された第三者機関で議論が行われているが、各党・各会派がその答申に従うことが重要だ」と述べました。自民党の後藤政務調査副会長は今年度の補正予算案について、「個人消費などに弱さが見られ、景気の回復状況も地方によってばらつきがある。地方や中小・小規模事業者にもアベノミクスの恩恵を届けるため、どのような施策を講じるのか」と質問しました。
これに対し安倍総理大臣は「個人消費のてこ入れと地方経済を底上げする力強い経済対策だ。所得の低い方に向けた灯油などの助成や子どもの多い家庭への支援など、地方自治体の創意工夫で実施する生活支援策を後押しする。中小・小規模事業者には地域資源を活用したふるさと名物の開発や販路開拓を応援し、原材料高に苦しむ事業者への支援なども実施する」と述べました。
さらに、安倍総理大臣は「今春の賃上げをお願いし、経済界の皆さんには賃上げに向けた最大限の努力と原材料費の高騰に苦しむ下請け企業の価格転嫁といった取り組みに合意していただいた。賃上げの流れをことしの春、来年の春、再来年の春と継続させ、経済の好循環を全国津々浦々にお届けしていく」と述べました。
維新の党の柿沢政務調査会長は、「大阪都構想」について、「画期的かつ歴史的意義がある取り組みだ。『大阪都構想』の意義とともに、東京と大阪の二極による経済成長を目指し、さらには道州制の実現を進めていく意思はあるのか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「『大阪都構想』は二重行政の解消と住民自治の拡充を図ろうとするものであり、その目的は重要だと認識している。政府としては、住民投票で実施の意思が示された場合には必要な手続きを進める。道州制の導入は与党において議論を前に進めるべく精力的に検討が重ねられてきており、政府としても連携を深め取り組んでいく」と述べました。
公明党の赤羽政務調査会長代理は新年度・平成27年度までとなっている東日本大震災の集中復興期間について、「被災自治体などが安心して復興に取り組めるよう、ことし3月11日までに大枠の方向性を示すことが被災者に寄り添う政治だ」と指摘しました。
これに対し、安倍総理大臣は「今年度の補正予算案や平成27年度予算案においても復興の加速化を大きな柱の一つと位置づけて重点化しており、まずは、これらの成立に全力を尽くす。集中復興期間が終わっても私たちは決して止まらない。再来年度・平成28年度以降も被災者の方々の心に寄り添い、しっかり対応していく」と述べました。
共産党の穀田国会対策委員長は沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設計画について、「沖縄県知事選挙や衆議院選挙などで県民が明白な形で示した『新基地建設ノー』の審判を一顧だにしない政府の姿勢は民主主義の国とは言えない」と批判しました。
これに対し、安倍総理大臣は「選挙の結果はいずれも真摯(しんし)に受け止めたいが、最も大切なことは市街地の真ん中にある普天間基地の固定化は絶対に避けなければいけないということで、政府と地元との共通認識だ。辺野古への移設は米軍の抑止力の維持と危険性除去を考え合わせたとき、唯一の解決策で、この考え方に変わりはない。沖縄の負担軽減に十分資するものであり、民主主義に反するとは考えていない」と述べました。