首相談話は政権の考えの観点で

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安倍総理大臣はNHKの「日曜討論」で、戦後70年となることし発表するとしている「総理大臣談話」について、歴代政権の談話を全体として引き継ぐ考えを示す一方、「今まで重ねてきた文言を使うかどうかではなく、安倍政権としてどう考えているのかという観点から出したい」と述べました。

この中で、安倍総理大臣は、戦後70年となることし発表するとしている「総理大臣談話」について、「安倍政権として歴代の談話を全体として受け継いでいく」と述べました。
一方で、安倍総理大臣は「70年を迎えるにあたって、今まで重ねてきた文言を使うかどうかではなく、安倍政権としてどう考えているのかという観点から談話を出したい。『今まで使ったことばを使わなかった』、あるいは『新しいことばが入った』というこまごまとした議論にならないよう、70年の談話は70年の談話として新たに出したい」と述べました。
また、安倍総理大臣は、集団的自衛権の行使を可能にする法整備について、「政府内で全体の法制の枠組みを作っており、与党にも協議していただく。法整備の全体像は、与党協議が終わり、政府与党でこういう案でいくという段階ではっきりとお示しできると思う。法案は新年度予算案が成立したあと提出することになる」と述べました。
さらに、安倍総理大臣は、イスラム過激派組織「イスラム国」への空爆など国連決議を伴わない有志の国々による軍事行動について、「軍事的な意味の有志連合に参加する考えはない。今行っている非軍事的分野で、医療、食料支援、難民支援といった貢献を中心とした支援を行っていく。後方支援は武力行使ではないので、国連決議がある場合、そうでない場合でも、憲法上、可能だと考える」と述べました。
公明党の山口代表は「自衛隊による海外での後方支援では、政府は国連安保理決議に基づいて、特別措置法をつくって対応してきており、過去のやり方もよく検討し、憲法の趣旨を外さないようにすべきだ。また、過去の総理大臣談話で、『植民地支配と侵略』などのキーワードは大きな意味を持っており、戦後70年のことし発表する談話でも尊重すべきだ」と述べました。
民主党の岡田代表は「民主党は、働く人々の立場に立つ政党であるという立ち位置を確認したうえで、安倍自民党は相当右に振れているので、保守層の方々も含めて幅広く支持を得ていく努力をしていきたい。戦後70年の総理大臣談話は、過去のことを認め、戦後日本がやってきたことを伝え、さらに未来志向という3つがそろわなければならず、過去の反省が飛んでしまうことは、戦後70年の歩みを否定することになりかねない」と述べました。
維新の党の江田代表は「維新の党の原点の一つが政界再編、野党再編だが、当面は足元を見つめ直し、党のカラーを国会論戦で示して基盤を固めることを最優先する。戦後70年の総理大臣談話は、未来志向にしつつも、過去の反省を踏まえた文言にすべきであり、キーワードは基本的には継承しないと、誤ったメッセージを与えることになる」と述べました。
共産党の志位委員長は「安倍総理大臣は、村山談話を全体としては引き継ぐと言いながら文言にこだわらないとして、核心的な部分をあいまいにして後退させることがはっきり出ており、非常に重大だ。過去の談話はしっかり継承し、それにふさわしい行動を取るべきだ」と述べました。
次世代の党の平沼党首は「自民党を引っ張り上げる保守勢力として集団的自衛権憲法の問題では大いに歩調を合わせていきたい。戦後70年の総理大臣談話は、申し訳ないという気持ちを持つことは必要だが、それに談話では触れないほうがいい」と述べました。
社民党の吉田党首は「日本の平和国家としての存立基盤が揺らいでおり、平和憲法が果たしてきた役割をかみしめなけばならない。戦後70年の安倍総理大臣の談話には、村山談話にある侵略と植民地支配への反省を明確に盛り込むべきだ」と述べました。
生活の党と山本太郎となかまたちの小沢代表は「格差が開いており、ことし中にアベノミクスの破綻と安倍内閣への不信が国民に芽生えるのではないか。安倍総理大臣は、集団的自衛権など、ことばでごまかさず明確な言動をとるべきだ」と述べました。
日本を元気にする会の松田代表は「国民とともに考え議論し、政策や法案を決める直接民主型政治を追求したい。集団的自衛権に関連する法案が通常国会の大きなポイントなので、国民と議論して対応を決めていきたい」と述べました。