整備新幹線、前倒し開業正式決定 840億円新たに投入

参照元 整備新幹線、前倒し開業正式決定 840億円新たに投入

 政府と与党は14日、整備新幹線についての検討委員会を開き、北海道新幹線新函館北斗―札幌)を5年、北陸(金沢―敦賀)を3年、九州(武雄温泉―長崎)を可能な限り、それぞれ前倒しして開業させることを正式に決めた。2015年度から16年間で、国と地方で約840億円の税金を新たに投入する。

 委員会には官房長官と総務、財務、国土交通の各大臣、自民、公明両党の幹事長と政調会長の計8人が出席した。新しい開業予定は北海道が30年度、北陸が22年度になる。

 14日閣議決定された15年度当初予算案では、整備新幹線事業費として前年度より35億円多い754億円を計上した。当初予算としては過去最高額。地方は前年度より17・5億円多い約377億円を負担する。前倒しする3区間の事業費を80億円ずつ増やし、完成間近の区間は減らした。

 前倒しには16年間で計5400億円が必要だったが、税金を使う分を除く約4560億円はJR貨物に支払う補助金を見直すなどして工面した。委員会終了後、太田昭宏国交相は「前倒しは大変経済効果があり、地域活性化の大きな力になる」と述べた。(土居新平)