師走の衆院選、党首や幹部ら列島駆ける 公示日ルポ

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 「この道しかない」か、「流れを変える」か――。寒風が吹きつけ、場所によっては雪に見舞われながら、師走の衆院選が始まった。党首や各党の幹部らが全国に赴き、有権者に直接支持を訴えかけた。

 9・30 自民党稲田朋美政調会長名古屋市内の同党候補の事務所であいさつ。「福井は0増5減で、私は新しい選挙区。こういうことをしている場合ではないが、曲げてやってきた。皆さん、選挙は激戦の方がおもしろい」

 9・38 自民党谷垣禎一幹事長が兵庫県西脇市の同党候補の事務所前で街頭演説。「衆院選で政権が振り子のように振れる日が続いた。2年や3年で政権が代わってどうなるのか。民主党政権は、デフレを脱出して日本を成長させようという発想に乏しかった。何とか、日本に安定した政治をつくろうではないか」

 9・40 民主党枝野幸男幹事長が青森県八戸市役所前で、同党候補の応援演説。「この2年、皆さんの暮らしは良くなったか。強いものをより強くしていく、この道だけでいいのか。暮らしをしっかりと下から支えていくもう一つの道を、国会の中に確かな力として、つくりだしていただきたい」。頭に雪が積もるほどの吹雪だった。

 9・45 社民党村山富市元首相が大分県臼杵市で街頭演説。「今度選挙に自民党が勝ったら4年間続く。本格的に憲法改正を成し遂げるのが狙い。こんなことされたら大変だ。私は90歳、余命ない。憲法だけはなんとしても守りたい」

 9・47 公明党山口那津男代表が横浜市の私鉄駅前で第一声。「2年間、経済再生、デフレ脱却を目指してアベノミクスを推進してきた。軽減税率導入へ後押しをお願いしたい」

 9・50 自民党麻生太郎財務相が地元の福岡県飯塚市の広場で演説。「消費税の値上げを1年半延期した。1年半後には必ず上げさせてもらう。その時は『これだけ景気回復したら消費税をあと2%ぐらい払ってもええわい』と思うてもらえるようにするのが我々の使命だ」

 9・50 生活の党の森ゆうこ代表代行が新潟県長岡市で「自民党議席を一つでも減らし、暴走する安倍政権をストップする」と街頭演説。雨の中、吐く息が白く見えた。

 10・00 共産党志位和夫委員長が東京・新宿駅西口で街頭演説。「国民が安倍政権に暴走ストップの審判を下し政治を変える絶好のチャンスがやってきた」

 10・15 新党改革荒井広幸代表が東京・巣鴨のとげ抜き地蔵商店街入り口で街頭演説。「アベノミクスを我々は評価している。失敗させたのではまた沈滞してしまう」

 10・38 維新の党の橋下徹代表が大阪・難波の高島屋前で第一声。「我々は、アベノミクスに対抗して、イシンノミクスというような新しい方向性を打ち出している。アベノミクスは否定しない。同時に国民に税金をダイレクトに投入していく」

 11・10 次世代の党の平沼赳夫党首が岡山県津山市で第一声。「次世代の党は自主憲法の制定を行おうと一生懸命努力している」

 13・00 自民党高村正彦副総裁が地元の山口県防府市で「成長と財政再建を同時に成し遂げなければいけない。経済指標を見れば明らかに日本経済は良くなっている。アベノミクスの道を続けさせて下さい」と街頭演説。気温2度。高村氏はスーツの中にタートルネックのシャツを着ていた。

 15・01 安倍晋三首相が仙台駅前で「復興を進めて行くためにも強い経済を取り戻さなければならない」と街頭演説。時折、冷たい雨が強く降った。

 16・50 民主党海江田万里代表が東京・月島で記者団に「初日だからまだ街全体の雰囲気は選挙モードになっていない。そうした中で、なぜ選挙なのか、安倍さんは横暴だという声は私の耳にも入ってきた」。

 18・30 民主党岡田克也代表代行がJR川崎駅前で街頭演説。「安倍さんは野党を攻撃の対象としか思っていない。私たちも反省が必要だ。政権交代は次でいい。この選挙でもう少し数を増やさせてもらい、議論ができる国会をつくらせてほしい」

 19・40 自民党小泉進次郎復興政務官が千葉市のJR駅前で街頭演説。「私たちがやらなきゃいけないのは、2年間でここまでやったと誇らしく言うことでなく、数字と皆さんの実感を細かく対応させることだ」