労働者派遣法改正案 与野党が駆け引き

参照元 労働者派遣法改正案 与野党が駆け引き

国会では、焦点の労働者派遣法の改正案を巡り、与党側が今週、安倍総理大臣も出席して質疑を行い、採決に向けた環境を整えたいとしているのに対し、民主党は徹底審議を求めて成立を阻む考えで、与野党の駆け引きが続く見通しです。

今の国会の焦点となっている派遣労働の期間制限を一部撤廃する労働者派遣法の改正案は、先月31日の衆議院厚生労働委員会で実質的な審議に入る予定でしたが、直前の理事会で公明党の理事が改正案の一部を修正したいという考えを示したことに野党側が反発して見送られました。
与党側は4日の理事懇談会で、修正を巡る一連の発言を撤回したうえで、5日から実質的な審議に入り、今週7日には安倍総理大臣も出席して質疑を行って、採決に向けた環境を整えたいとしています。これに対し、野党側は委員会での審議が始まる前に与党側から修正の考え方が示されたことに「与党みずから法案の欠陥を認めたものだ」と反発しており、与党側の発言撤回を受けて今後の対応を協議することにしています。
このうち、民主党は、維新の党が労働者派遣法の改正案に関連してまとめた同じ仕事であれば非正規労働者が正社員と同じ賃金や待遇を得られるとした法案を、近く共同で国会に提出し、2つの法案を合わせて徹底した審議を行うよう求めることで、改正案の今の国会での成立を阻む考えで、与野党の駆け引きが続く見通しです。
一方、内閣の重要課題の1つである「地方創生」の関連法案は、5日、衆議院の特別委員会で採決が行われ、翌6日にも衆議院本会議で可決されて参議院に送られる見通しで、与党側は参議院にも特別委員会を設置して審議を進め、今の国会で確実に成立させる方針です。