福島県知事選告示 新人6人が立候補

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東京電力福島第一原子力発電所の事故後初めてとなる福島県知事選挙が9日告示され、新人6人が立候補しました。
除染への取り組みや住民の生活再建など復興の進め方に加えて、今後の原発政策を巡っても論戦が行われる見通しです。

福島県知事選挙に立候補したのは、届け出順に、いずれも無所属の新人で、▽元福島県副知事の内堀雅雄氏(50)、▽元福島県双葉町長の井戸川克隆氏(68)、▽牧師の五十嵐義隆氏(36)、▽元岩手県宮古市長で新党改革が支持する熊坂義裕氏(62)、▽コンビニエンスストア店長の伊関明子氏(59)、▽建設会社社長の金子芳尚氏(58)、以上の6人です。
6人の候補は立候補の届け出を済ませたあと、街頭で支持を訴えました。
▽内堀候補は「最も必要なのは原子力災害からの復興だ。除染や健康管理、風評被害の払しょく、何よりも被災した地域の復興を成し遂げることだ。そして福島県内のすべての原発廃炉にさせる。県内の観光を活性化し、ロボットや再生可能エネルギー、医療関連など新しい産業を興していきたい」と訴えました。
▽井戸川候補は「原発事故は非常に過酷な事故であり、地域の心やコミュニティーなどすべてが壊された。復興ばかりを言う前に今も救済を待っている多くの県民がいることを忘れてはならない。現在の福島県内の放射線量の状況を正確に把握して、正しい情報を県民に対して届けていきたい」と訴えました。
▽五十嵐候補は「復興が遅れれば遅れるほど若い世代がいなくなってしまう。原発事故を経験した福島県民として原発廃炉にさせる。日本の未来をつくる政治をこの選挙から私と一緒に始めてほしい」と訴えました。
▽熊坂候補は「医療や福祉・介護をしっかりと整え、教育の環境を充実させることができるのは医師でもある私だけだ。すべての情報を公開しながら、原発事故による被害への対策について見直しを行っていく。福島県内はもちろん県外の原発にも反対で、原発の輸出にもノーと言っていきたい」と訴えました。
▽伊関候補は「原発事故を起こした国と東京電力に責任を認めさせ、必ず賠償させていく。観光地の湖の除染をして水質を守り、よい水から生まれるコメや酒を守ることで、風評被害に苦しむ観光を取り戻したい」と訴えました。
▽金子候補は「震災と原発事故から3年半が経過したなかで次のリーダーを決める大切な選挙だ。一刻も早い廃炉を実現し、除染も効率よく行うべきだ。次の世代に明るい希望が持てる福島県にしたい」と訴えました。
任期満了に伴う今回の福島県知事選挙は、東日本大震災福島第一原発の事故の後、初めて行われるものです。
2期8年知事を務めた佐藤雄平氏の実質的な後継として立候補した内堀氏は、自民党民主党公明党社民党が支援しています。
また熊坂氏は新党改革が支持し、共産党が支援しています。
井戸川氏ら4人の候補は政党の支援は受けていません。
選挙戦では、除染への取り組みや住民の生活再建、風評被害や健康不安への対応など復興の進め方、それに今後の原発政策を巡っても論戦が行われる見通しです。
福島県知事選挙の投票は今月26日に行われ、即日開票されます。