集団的自衛権 政府が見解案まとめる

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政府は、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更の閣議決定をしたあとの国会審議などを想定して、政府としての見解の案をまとめました。
この中では、政府が集団的自衛権に関係するとして示した8事例に含まれるシーレーン=海上交通路での機雷掃海などは、武力行使の新たな3要件を満たす場合は憲法上許されるとしています。

政府は、与党協議が合意に達すれば来月1日にも憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認することを閣議決定する方針で、その後の国会審議などを想定して政府としての見解の案をまとめ、与党側にも伝えました。
それによりますと、集団的自衛権の行使容認が憲法解釈の変更に当たるかどうかについて、日本を取り巻く安全保障環境の大きな変化を踏まえ、従来の政府見解の基本的な論理の枠内で導いた結論だとしたうえで、解釈の再整理という意味で一部変更ではあるが、憲法解釈としての論理的整合性や法的安定性を維持しているとしています。
そして、憲法改正を選択しなかった理由について、従来の政府見解の枠内で結論を導ける以上、必ずしも憲法改正を行う必要はないとしています。
また、政府が集団的自衛権に関係するとして与党協議に示した8事例に含まれる、シーレーン=海上交通路での機雷掃海や民間船舶の護衛は、「武力の行使」に当たるものであっても必要不可欠な場合があるとしています。
そのうえで、これらは、かつての湾岸戦争などでの戦闘とは異なり限定的で受動的な活動で、武力行使の新たな3要件を満たす場合は憲法上許されるとしています。
一方、政府は、27日に行われる10回目の与党協議で、閣議決定案を示すことにしています。
この中では公明党の意向を踏まえ、「紛争が生じた場合には、平和的に解決するために最大限の外交努力を尽くすとともに、既存の国内法令により、必要な対応を取るのは当然だが、それでも国民を守るために万全を期す必要がある」と新たに明記する方針です。
そのうえで、自民党の高村副総裁が先に試案として示した武力行使の新たな3要件を踏まえ、集団的自衛権について「日本と密接な関係にある他国に武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に、必要最小限度の実力を行使するのは憲法上許容されると判断するに至った」として、憲法解釈を変更し、行使を容認する方針を盛り込んでいます。