集団的自衛権 今国会こだわらずに意見集約

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安倍総理大臣は、集団的自衛権の行使を容認するための憲法解釈の変更を閣議決定する時期について、「『いつまでに』という結論、期限ありきではない」と述べていて、自民・公明両党に慎重な議論を求める意見があることなども踏まえ、今の国会の会期中にこだわらず、丁寧に意見集約を進めるものとみられます。

国会は、一般会計の総額が過去最大となる新年度・平成26年度予算が20日の参議院本会議で可決・成立し、後半国会では、集団的自衛権の行使容認を巡る議論が焦点となる見通しで、安倍総理大臣は、政府の有識者懇談会の報告書が提出されたあと、内閣法制局の意見を踏まえながら、与党側と調整したうえで、憲法解釈の変更を閣議決定する方針を示しています。
これを受けて、自民党は、来週、集団的自衛権などを議論する総裁直轄の新たな組織を設置することにしていますが、党内には、時間をかけて議論すべきだという意見のほか、行使が必要かどうか個別の事例ごとに厳しく検証して判断するよう求める意見もあります。
また、公明党は、山口代表が、20日、「国民生活で優先すべき課題は、ほかにいくつもある」と述べるなど、集団的自衛権の行使容認に慎重な姿勢を崩しておらず、19日には、自民党と対等に議論するために必要だとして、これまでの政府の憲法解釈の成り立ちなどを検証する勉強会を始めました。
こうしたなか、安倍総理大臣は、20日の記者会見で、憲法解釈の変更を閣議決定する時期について、「『いつまでに』という結論、期限ありきではなくて、まずは政府の有識者懇談会の議論を待ちたいと考えている」と述べました。
政府内では、今の国会の会期中に閣議決定すべきだという意見がある一方、当初、今月中とみられてきた有識者懇談会の報告書の提出時期を大型連休明けに先送りし、与党側との調整に時間をかける必要があるという意見も強まっていて、安倍総理大臣としては、今の国会の会期中の閣議決定にこだわらず、丁寧に意見集約を進めるものとみられます。