集団的自衛権巡り各党が議論

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NHKの日曜討論で、集団的自衛権の行使を巡る憲法解釈の変更について、自民党の石破幹事長が期限を区切らずに公明党との合意形成を目指す考えを示したのに対し、民主党の大畠幹事長は、憲法解釈の変更による行使の容認には慎重な考えを示しました。

この中で、自民党の石破幹事長は、集団的自衛権の行使を巡る憲法解釈の変更について「私が知っているだけでも二十数年間議論してきており、ここできちんと結論を出さなければならない。議論だけするという時期は過ぎた」と述べました。
そのうえで石破氏は「なぜ集団的自衛権の行使を容認するのか、一つ一つ丁寧に説明しなければならず、まず与党の中で公明党とよく話をして、一致点を見いだす努力をやっていかなければならない。それを抜きに『いつまでに』と言うことは避けたい」と述べ、期限を区切らずに公明党との合意形成を目指す考えを示しました。
公明党の井上幹事長は「集団的自衛権の行使は認めないのが政府の一貫した憲法解釈で、仮に変えるのであれば、なぜ変えるのか、どう変えるのか、変えた結果が国民や国際社会にどう影響するのか、丁寧に議論して国民的合意を作り、国際社会に理解を求めなければならない。政府の有識者懇談会の報告書が出たあと、与党で慎重に議論していきたい」と述べました。
民主党の大畠幹事長は「衆参とも与党が過半数の議席を持っているから総理大臣が決断すれば何でもできる、特に解釈改憲集団的自衛権の行使ができるという乱暴なことはやめるべきだ。国の内外に大きな影響を与え、日本の戦前や戦後の歴史と絡んだ問題であり、安易な形で進めることにならないよう自重してもらいたい。アジア全体の平和と安定を考え、与党は国民にしっかりと説明すべきだ」と述べました。
日本維新の会の松野国会議員団幹事長は「集団的自衛権は独立国であれば当然持っている。権利はあるが行使できないという、訳の分からない解釈は見直しの時期に来ている。今の国会か、次の国会のなかで与野党が胸襟を開いて議論すべきであり、自衛隊が地球の裏側の戦争にまで加担するのではないかという不安を払拭(ふっしょく)すべきだ」と述べました。
みんなの党の浅尾幹事長は「中国が新たな防空識別圏を日本に重なる形で設定したが、緊急時の最終的な対応を現場の判断に任せることになりかねず、非常に危険だ。政治の責任で議論を進め、さまざまな新たな脅威に対応できるようにすべきだ」と述べました。
共産党の山下書記局長は「歴代の自民党政府は憲法9条がある日本は集団的自衛権を行使できないとしており、海外で戦争をする国にしていいのか。安倍内閣の言動は、外交で問題を解決する世界の流れに逆行しており、絶対に認められない」と述べました。
結いの党の小野幹事長は「国論が大きく対立したり、分裂するような方向に為政者がかじを切ってはならない。憲法改正の議論を正々堂々とすべきで、一内閣の閣議決定で六十数年間の解釈を変えることは容易にすべきではない」と述べました。
生活の党の鈴木幹事長は「安倍内閣の国家主義の姿勢を国民は心配している。歴代の内閣がだめだと言ってきたことを変えようとしているが、憲法解釈による行使容認は国民も国会もチェックできず、容認できない」と述べました。
社民党又市幹事長は「憲法解釈は長年、国民に定着しており、一内閣の判断で変えるのは法治国家と言えない。アメリカと共に海外で戦争ができる国にしてしまうことになりかねず、日本の戦後の歩みを覆すことになる」と述べました。