特定秘密保護法案 衆院可決に各党は

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特定秘密保護法案は26日午前、衆議院の特別委員会で質疑が行われたあと、与党側が質疑を打ち切る動議を提出し、民主党などが委員長を囲んで反対するなか採決が行われ、衆議院本会議で、自民・公明両党と、修正合意したみんなの党などの賛成多数で可決されました。
法案の衆院可決に対する各党の反応です。

自民・石破氏「ほぼ正常な形で採決」

自民党の石破幹事長は記者団に対し、「衆議院本会議で討論が行われ、賛成、反対が述べられるなど、ほぼ正常な形で採決が行われたことには大きな意義がある。残された会期を考えれば、参議院で十分な審議ができるぎりぎりの日程で送付できた。参議院でさらに充実した審議が行われ、国民の懸念がさらに払拭(ふっしょく)されて、法案が成立するように、引き続き努力していきたい」と述べました。
また、石破氏は日本維新の会が法案の採決を退席したことについて、「維新の会は修正案を共同で提案しており、その成立に共に責任を負っている。採決に参加しないのは理解できない。審議には考えられるかぎり長い時間を費やし、国民の声を聞いてきた。なぜ法案には賛成なのに採決に応じられないのか、最後まで分からずじまいだったことは極めて残念だ」と述べました。

退席の自民・村上氏「自信持てなかった」

採決を前に退席した自民党の村上・元行政改革担当大臣は記者団に対し、「問題点が多い法案であり、賛成か反対かと言われたら政治家として自信が持てなかった」と述べました。

民主・海江田氏「巨大与党の暴走始まった日」

民主党の海江田代表は記者団に対し、「きょうは巨大与党の暴走が始まった日として記憶されなければならない。数にものをいわせて、国民の広範な反対の声や、国会の中で議論を尽くすべきという声を押し切った暴挙に怒りを禁じえない」と述べました。
また海江田氏は今後の国会対応について、「本当に悔しい思いだったが、きょうの本会議にも出席して党としての意見を述べた。国会での議論に参加し、考え方を正々堂々述べていく姿勢に変わりはない」と述べました。

維新・松野氏「いきなりの強行採決

日本維新の会の松野国会議員団幹事長は記者団に対し、「われわれが修正した法案を共同提出しているにもかかわらず、与党側はきょういきなり強行採決をしたので、採決には加われないと判断し、退席した。与党に円満な国会運営をしようという態度は見られず、来月6日の会期末までのぎりぎりの時間の中で、参議院で充実した審議ができるのか、疑問でならない」と述べました。

公明・井上氏「大きな意味がある」

公明党の井上幹事長は記者団に対し「この法案は『できるだけ多くの党の合意を得て成立させたい』という方針で臨んできたので、日本維新の会やみんなの党とまとめた修正案が衆議院を通過したことは、大変大きな意味がある。維新の会が採決を退席したのは残念だが、参議院では共同提案者として対応していただけると期待している。今後の参議院での審議を通じて、法案に対する国民の皆さんの理解を十分に得られるよう、議論していきたい」と述べました。

みんな・浅尾氏「処分検討」

みんなの党の浅尾幹事長は記者団に対し、「法案の必要性を訴え、よりよい法案にするために修正案を出して合意した。日本維新の会も修正で合意したならば意思表示をするのが筋だ」と述べました。
また浅尾氏は、党の方針に反して反対した2人の議員について、「1人は修正協議の当事者で、みずからまとめた案に反対するのは論理的におかしいし、もう1人も事前に『賛成する』と話していたので信義則に反する」と述べました。
さらに浅尾氏は採決の前に退席した江田・前幹事長から「強行採決に抗議して退席します」と書かれた紙を議場内で渡されたことを明らかにし、反対した議員とともに、処分も含め、検討する考えを示しました。

退席のみんな・江田氏「断じて容認できず」

採決を前に退席したみんなの党の江田前幹事長は記者団に対し、「安全保障や国民の知る権利に関わる重大法案を強行採決することは断じて容認できないという強い抗議の意志を込めて退席した。私もこの前まで党議決定を守らせる立場だったので苦渋の決断だったが、退席という道がいちばん、ベストだと判断した。処分は執行部が判断することだ」と述べました。

共産・志位氏「断じて許されない」

共産党の志位委員長は記者会見で、「採決強行に心からの憤りを持って抗議する。地方公聴会で、公述人が反対の意見を述べ、国民の中で法案への反対の声が日に日に広がるなかで採決を強行したことは、国民の声を踏みつけるもので、断じて許されない。戦いはこれからが大事で、法案への圧倒的多数の『ノー』の声で安倍政権を包囲していきたい」と述べました。

生活・鈴木氏「心から憤り」

生活の党の鈴木幹事長は記者会見で「きのうの公聴会で慎重な審議を求める意見が多かったにもかかわらず、きょう2時間で審議を打ち切り本会議に緊急上程した暴挙は許されず、心から憤りを感じる。参議院では徹底的に熟議をしなければならず、衆議院で行った以上の時間をかけて審議すべきだ。今の国会の会期内での成立は非常に難しいと思うので、廃案を求めていく」と述べました。

社民・吉田氏「厳重に抗議」

社民党の吉田党首は記者団に対し、「国民の知る権利や報道・取材の自由を侵害し、憲法の理念に反する法案の採決を強行したことに厳重に抗議したい。不正常な形で参議院に送られることになるので、参議院で、すぐに審議入りすべきでない。今後は徹底的な審議によって法案の問題点を国民に明らかにして、廃案に追い込みたい」と述べました。