首相、軽減税率協議「大詰め」 財源は定まらず

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 安倍晋三首相は11日午前、自民、公明両党間で続く軽減税率の協議について、首相官邸で記者団に「相当、大詰めのところまで来ている。最善の結果を目指してもらいたい」と述べ、近日中の合意に期待感を示した。一方、麻生太郎財務相は、税収減の穴埋めに必要な財源は、消費税率が10%に上がる2017年4月に向けて時間をかけて検討するとの見方を示した。

 首相が指摘した「最善の結果」について、菅義偉官房長官はこの日の会見で「連立与党で納得できるような調整をしてほしいということだ」と説明。軽減税率の対象を広くするよう求める公明党への配慮を重視する考えを示した。菅氏は政府が掲げる財政健全化目標について「政府の基本方針は全く変わらない」と述べ、軽減税率の導入で税収が減っても目標は維持する考えを示した。

 一方、麻生氏はこの日の会見で、軽減税率の財源について「いきなり数千億円以上のカネがきょう明日で出てくるはずがない。再来年まで時間をかけてやっていくのが実態」と述べた。自公両党は食品全般を軽減税率の対象にすることで合意したが、税収減の穴埋めに必要な約1兆円の財源のうち、6千億円分はめどが立っていない。

 甘利明経済財政相は会見で、財源について「アベノミクスによる成長の上振れをどう使うかという議論がある」と述べ、税収の上ぶれ分を活用する可能性を示したが、麻生氏は「安定的な財源ではない」と否定的な考えを示した。