おおさか維新に各党警戒 自民「ダブル選の話題作り」

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 橋下徹大阪市長が率いる国政新党「おおさか維新の会」が31日、船出した。大阪地盤の勢力を中心に、地方からの改革をうたう。結党は11月の大阪府知事大阪市長のダブル選に弾みをつける狙いもあり、各党とも警戒を強める。

 橋下氏はあいさつで、ダブル選について「壮絶な戦いになる。自民党から共産党まで全党が相手になる」と言及。橋下氏が率いる地域政党大阪維新の会」が擁立した立候補予定者2人も決意表明をした。

 大阪維新と全面対決することになる自民党。府連所属の国会議員は「ダブル選の話題づくりだ。メディアをにぎわす政治イベントを仕掛けてくると予想していた通りで、非常に巧妙」と危機感を募らせる。

 自民党が擁立した知事選、市長選候補2人は11月1日、大阪市内で事務所開きを行う。中山泰秀府連会長は「分裂しては政党をつくる。橋下氏は統治機構改革を訴えるが、党のマネジメントもできないのに、どうやって国や大阪の統治ができるのか」と皮肉った。

 公明党府本部の幹部は「国政に影響を与える政党になる。動向を注視したい」と語るが、別の幹部は「ダブル選を盛り上げるパフォーマンス。政党を作って壊して、大阪の有権者もさすがにうんざりしているのでは」と冷ややかだ。

 民主党府連幹部は「何か新たな理念があるわけじゃない。橋下氏の政界引退後に残る人たちを救わねばならないのだろう」。民主党は国政では、野党勢力の結集に向けて動いており、「早く大阪維新の力をそがなきゃいけない。それがダブル選だ」と語った。

 共産党府委員会の柳利昭副委員長は「ダブル選に向けて改革政党としての新たな出発をアピールしたいのでしょう」と推測。「分裂騒動で醜い姿も明らかになった。ダブル選での勝敗が新党の今後を決定づける。維新政治を終わらせる」と述べた。