首相 安保法案 今国会での成立目指す

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首相 安保法案 今国会での成立目指す

9月11日 19時02分

安全保障関連法案を審議している参議院の特別委員会で、安倍総理大臣は、法案採決の時期について、「決めるときは、決めていただきたい」と述べ、今の国会での成立を目指す考えを重ねて示しました。
自民党の山本前沖縄・北方担当大臣は、「平和安全法制を通じて、日米同盟が100%機能することを内外に示すことが、日本の抑止力を高め、日本を攻撃しようという国の意図をくじくことになる。日米同盟強化の必要性をどう考えるか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は、「今日の安全保障環境に鑑みれば、アメリカでさえ、1国のみで自国の安全を確保するのは困難な状況で、わが国では、極めて極めて困難だ。みずからの適切な防衛力の保持と打撃力を含むアメリカの抑止力により、隙のない体制を構築し、平和と安全を確保することが不可欠だ。法案の整備で、間違いなく、お互いにもっと守りあっていくことになり、絆は強化され、日本を攻めようという側から見れば隙がなくなる」と述べました。

民主党の福山幹事長代理は、「これだけ会期を延長したにもかかわらず、国民の理解が広がっていないのは、安倍総理大臣の負けだ。率直に認めていただいて、廃案にすべきで、法案を強行採決することなどはないと認めてほしい」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は、「私たちは、国民の命と幸せな暮らしを守るために、法案をぜひ成立させていただきたいと思っている。衆議院でも、しっかりとした議論を行い、参議院でも議論を行っている。いつかは決めるときは、決めていただきたいと思う」と述べました。

公明党の谷合政務調査副会長は、「政府は、公海上でのアメリカの艦船防護を、存立危機事態に該当する典型例として挙げている。存立危機事態では、個別的自衛権での対処が困難な場合が多く、国際法上は、集団的自衛権を根拠として限定的に行使するしかないと理解している」と述べました。
これに対し、安倍総理大臣は、「新3要件の中においてのみ、武力の行使ができるが、これは世界的にも、例を見ない、非常に厳しい要件であり、憲法上の明確な歯止めとなっている。新3要件については、アメリカにも十分説明し、新たな日米ガイドラインの中でも、『日本が武力を行使するのは、日本国民を守るためだ』と、はっきりと書き込んでいる」と述べました。

維新の党の藤巻参議院政務調査会長は、「安倍総理大臣は、ホルムズ海峡での機雷を掃海する必要性を述べているが、う回するパイプラインが通っているため、存立危機事態が発生する可能性はないのではないか。立法事実がないのに、法案を作るのは危険だ」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は、「ホルムズ海峡をう回するパイプラインは存在するが、封鎖されるような危機に際しては、わが国へのエネルギー源の供給が滞って、国民の生死に関わる深刻、重大な影響が生じないか、断言することはできず、想定外だったということは許されない」と述べました。
そのうえで、「法制の不備により、国民の命と幸せな暮らしが守れないことはあってはならず、新3要件に該当する場合は、わが国として機雷の掃海を行い、危険を除去することができるようにすることが不可欠だ」と述べました。

共産党の仁比参議院国会対策副委員長は、先の委員会で示した、自衛隊トップの河野統合幕僚長とアメリカ軍幹部との会談内容を記したとする文書について、「河野統合幕僚長は、『アメリカ軍のオスプレイの不安全性をあおるのは、一部の活動家だけである』と発言しており、そのような認識をアメリカ側に話していたのであれば、重大な問題だ」と指摘しました。
これに対し、安倍総理大臣は、「政府としては、オスプレイの安全性に対し、地元に不安の声があることは、地元自治体からの要請等によって、十分に認識をしている。なお、示された資料と同一のものの存在は、確認できず、そのうえで、統合幕僚長の発言内容は、防衛大臣が直接聴取し、不適切な点はなかったと判断していると承知している」と述べました。