安保法制整備に向けた与党協議を再開

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自民・公明両党は、安全保障法制の整備に向けた与党協議を13日再開し、座長を務める自民党の高村副総裁は「憲法の範囲内で、あらゆる事態に切れ目なく対応できるものを作りたい」と述べ、来月中に与党としての考え方の取りまとめを目指す考えを示しました。

安全保障法制を巡って、政府が、大型連休後の5月に必要な法案を国会に提出したいとしていることを踏まえ、自民・公明両党は13日、去年7月の集団的自衛権の行使を容認する閣議決定以降、中断していた与党協議を7か月ぶりに再開しました。
この中で座長を務める自民党の高村副総裁は、「国民の命と暮らしを守るための法制を、現行憲法の範囲内で、あらゆる事態に切れ目なく対応できるものを作るために、建設的な議論をしていきたい。できれば3月中のそれほど遅くない時期にまとめたい」と述べました。
また、座長代理を務める公明党の北側副代表は、「去年の閣議決定のときの議論以上に、自衛隊の活動の要件や手続きについて明確な論議をしていきたい。いわゆるグレーゾーンへの対処、後方支援、憲法9条で許容される自衛の措置など大きな論点があるが、すべて密接に関連するのでパッケージでの合意を目指して精力的に議論したい」と述べました。
与党協議では、去年7月の閣議決定に沿って、武力攻撃に至らない、いわゆるグレーゾーン事態への対処から議論を行うとしています。
今後の協議では、さらに、自衛隊による多国籍軍などへの後方支援、集団的自衛権の行使をどういった場合に認めるかの順に検討が行われる見通しで、自衛隊の活動をどこまで拡大していくかを巡って活発な議論が行われる見通しです。

まず与党内の意見のすり合わせ

官房長官は閣議のあとの記者会見で、「国民の皆さんの安全・安心をしっかりと確保するというのが政権の最重要課題だ。安全保障については、集団的自衛権の行使を限定的に容認する閣議決定をした。それに基づき、これから法案を提出すべく、まずは与党内の意見のすり合わせを行う」と述べました。
また、菅官房長官は、記者団が「公明党は、多国籍軍などに後方支援を行うため、恒久法を制定することに慎重な姿勢を示しているが」と質問したのに対し、「具体的な法形式はまだ決まっていないが、国民の命や平和、暮らしを守るために切れ目のない対応を可能とする観点から検討し、与党内で合意を得ることから始めていこうということだ」と述べました。

国民が良く理解できる議論を

自民党の谷垣幹事長は記者会見で、「先の閣議決定で、安全保障法制を巡る大きな粗ごなし、基本設計はできており、国民がよく理解できるような議論を積み重ねていく。公明党とはいろいろと感覚の違いは当然あるが信頼関係は高まっているので、今後も議論をきちんと積み重ねていく」と述べました。

来月中に取りまとめを

公明党の井上幹事長は記者会見で、「去年の閣議決定がいちばんの基本であり、それに沿った切れ目のない安全保障法制の整備を進めることが重要で、国民的なコンセンサスも得ていきたい。来月中に、全体像の取りまとめをしたうえで法制化の作業に入り、大型連休明けに関連する法案を国会に提出したい」と述べました。