自公大勝、3分の2維持 「アベノミクス」継続へ

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 第47回衆院選は14日投開票され、自民、公明両党は公示前勢力を上回る326議席を獲得し、大勝した。自公で定数の3分の2を超え、自民単独で291議席(14日夜に発表した追加公認1人を含む)を確保した。安倍晋三首相は長期政権への足場を固め、「アベノミクス」を継続させる。憲法改正にも意欲を示した。73議席にとどまった民主党海江田万里代表が落選し、代表選が行われる。維新の党は横ばいで、次世代の党は惨敗した。共産党議席を倍増させる躍進となった。小選挙区投票率朝日新聞の推計では戦後最低の前回59・32%を下回り、52%前後になる見通し。

■首相、改憲議論の推進表明

 安倍晋三首相(自民党総裁)は14日夜、与党が大勝したことを受けて、憲法改正に向けた議論を推進する考えを表明した。首相に対抗する有力な勢力は党内に見あたらず、来年9月に予定される自民党総裁選で再選され、長期政権になる可能性が出てきた。

 国会による憲法改正の発議には、衆参両院で3分の2以上の賛成が必要だ。首相はテレビ東京の番組で、「3分の2の国会における勢力をつくったとしても、国民投票で過半数の支持を得なければいけない。(国民の)理解を深めるところから進めていきたい」と述べた。「憲法改正に向けて進めていくということか」との質問には「そういうことですね」と応じた。

 安倍首相は、与党の大勝で政権基盤を強固にした。国会で与党の圧倒的優位は揺るがず、首相は与党との関係でも主導権を握る場面が増えそうだ。首相は24日に召集される予定の特別国会で再び首相に指名された後、第3次安倍内閣を発足させる。閣僚は全員留任させるか、交代しても小幅にとどめる見通しだ。

 首相は今回の解散を「アベノミクス解散」と命名。演説の大半を自らの経済政策にあてた。首相が金融緩和、財政出動に続くアベノミクスの「3本目の矢」とする成長戦略で、有効な対策を打てるかが焦点だ。

 首相は、原発再稼働や集団的自衛権を含む安全保障法制の整備などについても、フジテレビの番組で「選挙でお話ししたことはしっかり実行していきたい」と述べ、信任を得たとの考えを示した。

 九州電力の川内(せんだい)原発鹿児島県)は近く再稼働に踏み切る見通し。他の原発原子力規制委員会の基準を満たせば再稼働される。7月の集団的自衛権行使を認めた閣議決定に沿って安保法制を整備し、来年の通常国会に提出する考えだ。