アベノミクス継続か転換か 各党幹部が討論

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3日後の衆議院選挙の公示を前に、関西プレスクラブ主催の各党の幹部による討論会が、大阪市で開かれました。
与党側が、安倍政権の経済政策・アベノミクスを継続し、経済成長と財政再建を両立させるとしたのに対し、野党側は、アベノミクスを批判し、政策の転換や軌道修正を求めました。

自民党・谷垣幹事長

討論会で、自民党の谷垣幹事長は、「アベノミクスが正しいのか、ほかに道があるのか、国民の声を聞きたい。経済好循環の胎動は十分あるが、一部に弱含みがあり、消費増税を1年半延期し、あらゆる手だてを講じて持続的な成長につなげたい。経済成長と財政再建の両立こそが歩むべき道で、国民を豊かにする。このところ、特に衆議院選挙は、1回ごとに結果が左右に振れてきたが、もう一度安定した政治を作らなければならない」と述べました。

公明党・井上幹事長

公明党の井上幹事長は、「デフレから脱却し、景気回復を本格的な軌道に乗せることで、家計や中小企業、地方に確実に波及させていくため、消費税率の引き上げを、1年半延期する決断をした。軽減税率は、自民・公明両党で、平成29年度に導入を目指すことで合意しており、制度設計を精力的に行い、確実に実施したい」と述べました。

民主党・枝野幹事長

民主党の枝野幹事長は、「この2年間忘れられ、後退してしまった、無駄遣いとの戦いと行政改革の推進が大前提で、そこで生み出される財源で暮らしの底上げを図らねばならない。低賃金や低所得の人たちの家計を底上げすることで、はじめて消費は拡大するが、こうした部分がこの2年間で決定的に失われた。円安による物価上昇が家計を苦しめているので、家計にも目配りした金融政策が必要だ」と述べました。

維新の党・松井幹事長

維新の党の松井幹事長は、「アベノミクスを否定はしないが、安倍総理大臣が第3の矢を放つのをおさえて、岩盤のような規制を突破させないようにしているのは自民党だ。われわれは、国民に増税を求めるなら、税金で生活する側が身を切ってはじめて、国民に納得してもらえると考えており、これ抜きに、財政赤字はなくならない」と述べました。

次世代の党・江口顧問

次世代の党の江口顧問は、「われわれの基本は自主憲法の制定であり、憲法は日本人の手で改めることが必要だ。アベノミクスは、方向性は正しいが、軌道修正をしなければならない点が多々あり、異次元の成長戦略に変えるよう、求めていきたい」と述べました。

共産党・山下書記局長

共産党の山下書記局長は、「安倍政権は、消費増税集団的自衛権の行使容認、原発再稼働、沖縄新基地建設など、国民の多くが反対していることを、数の力で強行しようとしてきた。安倍政権の暴走をストップし、政治を変えることを訴えていく」と述べました。

生活の党・村上幹事長代理

生活の党の村上幹事長代理は、「安倍内閣は消費増税を先送りしたが、自らの経済政策の失敗を証明したようなもので、政策を外需型でなく内需型に大きく転換すべきだ。自民党1強の政治状況を打開して、与野党伯仲の状況をつくるべきだ」と述べました。

社民党・服部幹事長代理

社民党の服部幹事長代理は、「今回の解散は争点隠し解散で、安倍総理大臣が本当にやりたいのは、憲法改悪ではないか。アベノミクスへの審判と言いながら、憲法を変える、集団的自衛権を行使するといったことを許さない立場で戦う」と述べました。