民主・海江田代表「景気回復の実感ない」(党首に聞く)

参照元 民主・海江田代表「景気回復の実感ない」(党首に聞く)

 公示日まで1週間を切った。総選挙で各党は何を争点に、どう訴えるのか。2年間の第2次安倍政権の評価は。党首に聞く。

 ――今回の衆院選にどのような姿勢で臨みますか。

 自民、公明で過半数という安倍晋三首相の目標をくじく決意だ。アベノミクスだけでなく、安倍政権の2年間の政治そのものを有権者に判断してほしい。特定秘密保護法の成立や集団的自衛権閣議決定もあった。原発政策を見ていると、まるで3・11がなかったかのようだ。国民の声を聞かない安倍政権の体質はきわめて危険だ。

 ――アベノミクスをどう評価しますか。

 安倍首相は100万人の新たな雇用が生まれたと言うが、実際には非正規雇用が147万人増えた。正規雇用は9万人の減少だ。社会の格差は広がっている。2年たっても、多くの国民に景気回復の実感がない。私たちが再生を主張する中間層が豊かになっていない。アベノミクスは失敗で、期待外れだといえる。

 ――民主党が再生を目指す中間層とは?

 安定した雇用があり、500万〜600万円程度の収入がある人たちをイメージしている。この層を分厚くし、雇用の安定、子育て世代への支援、社会保障の安心を確実なものにしなければいけないと思う。

 ――今回のマニフェストには数値目標がほとんどありません。なぜですか。

 マニフェストのあり方を検証し、事例や金額などを事細かに書き込むことには、かなり無理があると気がついた。達成できなかった場合、マニフェストにかかげた政策そのものまでもが否定されるような誤解を受けることになる。

 ――前回衆院選では議員定数の削減目標数まで掲げましたが。

 当時は与党で多数を握っていた。野党だから削減数を膨らませれば良いとなると、一種のポピュリズムになってしまう。

 ――野党間の選挙区調整は進みましたが、民主党の擁立者の数は170人台。政権を取りにいかない戦いなのですか。

 小選挙区では過半数の候補者を擁立している。

 ――選挙後の野党再編についてどう考えますか。

 私はやはり二大政党だと思う。穏健なリベラル政党として民主党が軸になり、もう一つの勢力をつくる必要がある。

 ――下野して2年。民主党は何が変わりましたか。

 党が一つにまとまることが一丁目一番地ということだ。かつてのようにバラバラでは国民の信任を得られない。今はもう、他の党に「こっちに来い」と言われても出て行きませんよね。