首相 実質賃金の上昇目指していく

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国会は、3日から衆議院予算委員会で基本的質疑が始まり、安倍総理大臣は、みずからが掲げる経済政策、アベノミクスを巡って、「物価の変動分を考慮した実質賃金は下がっている」という批判に対し、物価に合わせて実質賃金が上昇していくよう取り組んでいく考えを強調しました。

この中で、公明党の古屋副代表は、女性が活躍する社会の実現に関連して、「子育てや介護と仕事の両立が非常に大きな課題だ。子どもの就学前までは短時間勤務を拡充すべきだ。また介護で離職する方が非常に多く、晩婚化によって子育てと介護が重なってくる傾向もあり、両立するような制度をつくらなければならない」と指摘しました。
これに対し安倍総理大臣は、「出産などで仕事を離れる女性が多く、昇進や能力開発の機会が限られてしまう。仕事と育児などの充実には待機児童の解消などが重要だが、基本的な課題は働き方の見直しだ。ともすれば長い間働いて残業をどんどんすることを成果として自慢するような風潮があったが、これを思い切って変えていく」と述べました。
民主党の前原・元外務大臣は、「安倍総理大臣は所信表明演説で『多くの企業で賃金がアップした』と言われたが、物価の変動分を考慮した実質賃金や実質の可処分所得も下がっている。株価が上がり、資産を持っている人はいいが、一般のサラリーマンや年金生活者の生活は、アベノミクスで苦しくなっている」と批判しました。
これに対し安倍総理大臣は、「デフレからの脱却に重点を置いており、物価が緩やかに上がっていくという目標に向けて進んでいく必要がある。同時に賃金が時差はあっても追いつくようにして、時差はなるべく短くするというのが、われわれの政策だ。実質賃金がしっかりと増えていくステージに入っていきたいが、少し時間がかかる」と述べました。
一方、安倍総理大臣は、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡って、謝罪と反省を示した河野官房長官談話に関連して、「河野談話とその時の河野官房長官の記者会見での発言により、強制連行というイメージが世界に流布された。河野談話自体が事実上、いわば強制連行を認めたものとして認識されているのは事実だが、文書自体はそうではない」と述べました。