参院選制度改革 座長新提案も不透明

参照元 参院選制度改革 座長新提案も不透明

参議院の選挙制度改革を検討する各会派の協議会が開かれ、座長を務める自民党の脇参議院幹事長は、1票の格差是正に向けて隣接する県を合区する新たな案を示しました。
ただ、脇氏は参議院幹事長から交代し、協議会の座長も交代する見通しで、各会派の協議の先行きは不透明な情勢です。

参議院の選挙制度改革を巡っては、各会派の協議会の座長を務める自民党の脇参議院幹事長が、1票の格差是正に向けて府県を合区する案を示し、民主党などが一定の理解を示したものの、自民党では「地方の声が国政に届きにくくなり有権者の理解を得られない」などとして慎重な意見が大勢です。
こうしたなか、11日開かれた各会派の協議会で、脇氏はこれまでの議論を踏まえて、福井と滋賀、山梨と長野、鳥取と島根、徳島と高知、福岡と佐賀の隣接する10の県を5つの合区にまとめる新たな座長案を示しました。
そのうえで脇氏は、各会派に対し、来月31日の次回の会合までに、それぞれの改革案を示すよう求めたうえで、自民党に対し「党としての案をまとめていないのは遺憾であり、不誠実だ」と批判しました。
これに対し、自民党は「来月31日までに複数でも党の案を提出すべく全力を尽くしたい。自民党が案を出さないことはありえない」と反論しました。
脇氏を巡って、自民党の溝手参議院議員会長は、党内から参議院の選挙制度改革を巡る協議の進め方に批判が出ていることを踏まえ、12日、参議院自民党の特別総会を開き、参議院幹事長から交代させる意向です。
これに伴い脇氏は協議会の座長も交代する見通しで、参議院の選挙制度改革を巡る各会派の協議の先行きは不透明な情勢です。

山口代表「早期の合意形成を」

公明党の山口代表は記者会見で「参議院の選挙制度改革の議論は、最高裁の判決を受けて制度を抜本的に変えることで合意し、議論が進められている。参議院としては、裁判の状況や合意内容を踏まえて、各会派や政党が責任を持って早期の合意形成に努めるべきであり、それぞれの責任は重い」と述べました。

西田氏「私自身も責任をとらなければ」

参議院の選挙制度改革を巡る各会派の協議会で委員を務める自民党西田昌司参議院議員は、記者団に対し、「再三にわたって自民党の案をどうするか議論するよう溝手参議院議員会長にお願いしているが、いまだになされておらず、大変遺憾で情けない」と述べました。
そのうえで西田氏は、脇氏が協議会の座長を交代する見通しであることに関連して、「当然、私自身も責任をとらなければならないと考えている」と述べ、協議会の委員を辞任する考えを示しました。