沖縄市長に自公推薦の桑江氏 辺野古移設賛成派に弾み

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 沖縄県沖縄市長選は27日投開票され、いずれも無所属新顔で、保守系の桑江朝千夫(くわえさちお)・前自民県議(58)=自民、公明推薦、民主、維新、そうぞう支持=が、革新系の島袋芳敬(しまぶくろよしのり)・前副市長(64)=共産、生活、社民、沖縄社会大衆推薦=を下して初当選した。投票率は57・73%。秋の知事選の前哨戦として、自民党は党を挙げた総力戦を展開。米軍普天間飛行場宜野湾市)の名護市辺野古への移設賛成派に、弾みがつく結果となった。

 当選が確実となり、選挙事務所に桑江氏が姿を現すと、支持者は指笛を鳴らして祝った。

 長く市を二分してきた泡瀬干潟の開発問題が、いまの東門美津子市政下で事実上決着し、市政の継続か刷新かが「表」の争点だった。だが「裏」の争点は辺野古移設だった。

 桑江氏は、県議だった昨年末に辺野古移設を容認したが、選挙戦では「市長選の争点でない」と触れるのを避けた。自民党石破茂幹事長や、小泉進次郎・復興政務官ら「大物」を続々と投入し、桑江氏が訴える大型施設建設などの経済振興策に協力を約束した。

 「移設反対」を公約にした島袋陣営は、こうした動きを移設への地ならしと批判したが及ばなかった。

 今年に入り、名護、石垣、沖縄と全面対決型の市長選が続いた。辺野古容認後、厳しい批判にさらされてきた自民党県連にとっては、石垣に続く「連勝」だ。県連は、県民世論の変化の兆しと受け止める。西銘恒三郎県連会長は「知事選は経済も大きな争点」と語り、知事選でも、安倍政権と一体となった振興策を前面に打ち出す構えだ。

 敗れた革新系は、5月から知事選候補の絞り込みに入る。県議の1人は「信じられない結果だ。知事選は人選だけでなく、争点の設定など対策を練らなければならない」と厳しい表情で語った。