秘密保護法案「後に検証できるよう議論を」

参照元 秘密保護法案「後に検証できるよう議論を」

特定秘密保護法案を巡っては、指定した秘密をいつ公開するかが修正協議の焦点の1つとなっています。
公文書管理に詳しい専門家は、「秘密文書を時期を区切って公開するという議論は評価できるが、後世、広く一般の人たちが歴史を検証できるよう公開のしかたについても議論を深めてほしい」と指摘しています。

政府が先月提出した特定秘密保護法案では、「特定秘密」の指定期間は最長5年で、延長を重ねることができ、通算で30年を超える場合には内閣の承認を得なければならないとしています。
そして、その公開時期を巡って自民・公明両党と日本維新の会は、修正協議で「一部の例外を除いて60年後までに公開する」ことで合意しています。
秘密の指定や公開については欧米各国の秘密保護法制でも規定されていて、アメリカでは秘密の指定期間を最長25年までとし、それを過ぎたものは原則、公開されることになっています。
イギリスでは指定から20年後、ドイツでは30年後に原則、公開されることになっていますが、どの国にも例外規定があって、特に秘匿性が高い情報は公開の対象から外しています。
公文書管理の在り方が専門の筑波大学大学院図書館情報メディア研究科の白井哲哉准教授は「秘密文書を時期を区切って公開するという議論は評価できるが、公文書の公開時期を早めようという世界的な流れがあるなか、60年という期間が妥当かは疑問だ。また、公開をどの範囲で行うのか明確になっておらず、後世、広く一般の人たちが歴史を検証できるよう、公開のしかたについても議論を深めてほしい」と指摘しています。