自衛隊法改正案、衆院委で可決 海外での邦人陸上輸送

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 海外での緊急事態で邦人の陸上輸送を可能にする自衛隊法改正案が、10月31日の衆院安全保障委員会で、自民党、公明党、民主党などの賛成多数で可決された。1日に衆院を通過し、今国会で成立する見通しだ。

 改正案は1月のアルジェリアでの人質事件を受け、新たに自衛隊の車両を使った邦人輸送を可能にする内容。現行法での邦人輸送は航空機と船舶に限られるため、当時はアルジェリア政府が陸上輸送を行った。

 今回の改正案では、邦人輸送の際の武器使用基準の緩和について、憲法が禁じる海外での武力行使に抵触する恐れがあることから盛り込まれなかった。

 これに対し民主党は「自衛隊の武器使用権限が不十分」と主張。与党は付帯決議の中で「海外での適切な武器使用のあり方については引き続き検討を行う」ことを政府に求めることで、民主党などと合意した。

 武器使用基準の見直しをめぐっては、集団的自衛権の行使容認と並び、首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)で議論されている。