日本版NSC 参考人が必要性強調

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衆議院の特別委員会は、外交・安全保障政策の司令塔となる国家安全保障会議、いわゆる日本版NSCを創設するための法案について参考人質疑を行い、4人の参考人からは、会議を創設する必要性や、情報公開の重要性を指摘する意見が出されました。

この中で、自民党が推薦した元外交官で、立命館大学客員教授の宮家邦彦氏は「昔は防衛省は防衛省、外務省は外務省で政策をつくり、個別に総理大臣と官房長官に上げていくケースが多かった。しかし、昔のように省庁がばらばらに総理大臣などに説明し了承を得るというような時代ではない。これは極めて重要な法案であり、絶対必要なシステムの一部だ」と指摘しました。
民主党が推薦したNPO国際地政学研究所理事長の、柳澤協二元内閣官房副長官補は「情報には、国の安全上、秘匿すべきものが含まれ、それを理由に政策決定のプロセスが一切公表されないおそれがある。いろいろな危機管理の事案について、年次報告書的なものを作り、後世の検証に耐える形で蓄積していくプロセスが必要ではないか。ぜひ、危機管理の事案や政策決定に関して議論されたことの概要を定例的に公表していくことを考えてほしい」と述べました。
日本維新の会が推薦した元空将で、双日総合研究所の永岩俊道・上席客員研究員は「NSCは情報の要求を出すところで、情報のエンドユーザーだ。そういった観点から、情報をどういった形で集約する体制を整えるかが課題だ。集約した情報が一体管理され、状況に合わせ、判断・決心できるような形で提供されないと、役割を成さないと考える」と述べました。
公明党が推薦した外交史が専門の慶應大学教授の細谷雄一氏は「日本の政治を振り返ると、組織間の対立があまりにも激しかったことで、総理大臣に権力や情報が集まらず、多くの利益を損ねてきた。それは、総理大臣や大臣ら個人の問題というよりも制度的な問題で、その制度を改めなければ問題は解決できない。官邸の機能を強化し、権力を集中させ、情報を集めるシステムをつくらなければ、重要な国益を損ねてしまうことになる」と述べました。