大阪ダブル選、公明「対応まったく白紙」 橋下氏は牽制

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 11月の大阪府知事大阪市長のダブル選で、自民党が知事候補に推薦する栗原貴子府議(53)と市長候補に推薦する柳本顕(あきら)大阪市議(41)が19日、公明党府本部に佐藤茂樹代表らを訪れ、推薦を要請した。出席者によると佐藤氏は明確に答えず、「ぜひ、頑張って下さい」と述べたという。

 自民党は5月の住民投票大阪都構想を廃案に追い込んだ、政党や団体による連携の再現を目指す。特に公明党の支援獲得を最優先課題とする中山泰秀大阪府連会長はこの日、「中央での自公連携を、地方でもしっかりやっていきたい」などと呼びかけたという。

 ただ、公明党は「検討中」との姿勢を崩さない。府本部内の当初の認識は「自主投票」。その後、公明党市議団内で「住民投票をともに戦った柳本氏に推薦を出すべきだ」との声が強まり、府本部と支持母体の創価学会の間で調整に入っている段階だからだ。

 もし自民党サイドに回れば、知事選に松井一郎知事(51)、市長選に吉村洋文(ひろふみ)前衆院議員(40)を立てる大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)との全面対決になる。公明党は府内4小選挙区で現職衆院議員を抱え、対抗馬を擁立される事態も予想される。橋下氏は18日の演説会で「公明党はどっちにつくかはっきり決めていない。『向こうにつく』と言った瞬間に総攻撃をしかける」と牽制(けんせい)した。

 佐藤氏は19日、自民党からの推薦要請を認め、「しっかり議論していく。まったくの白紙だ」と語った。大阪市長選には、元北区長の中川暢三氏(59)も立候補を表明している。(上田真由美、今野忍)