労働者派遣法の改正案巡り各党が議論

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NHKの日曜討論で、派遣労働の期間制限を一部撤廃する労働者派遣法の改正案を巡り、自民党が、女性の活躍にも資する派遣労働者のための改革だと強調したのに対し、民主党は、生涯にわたって賃金が低いままに抑えられ格差が広がりかねないとして、受け入れられないという考えを示しました。

この中で、自民党の稲田政務調査会長は「今まで26業種で無制限に派遣を続けていた実態があったのを、3年ごときちんと見直し、派遣先に雇用してもらうよう働きかけるなど、義務も強化されている。決して派遣の固定化にはならず、女性の活躍にも資するものだ。派遣元でのキャリアアップも行うという意味でも、今回は派遣労働者のための改革だ」と述べました。
公明党の石井政務調査会長は「派遣労働者127万人のうち、26の業種の54万人は、現在でも派遣期間の制限がないまま働いている。今回の法改正は新たに派遣期間の制限を設けるなどしており、使用者にとって、ある意味、規制強化になっている」と述べました。
民主党の福山政策調査会長は「派遣は臨時的、一時的なものであるにもかかわらず、今回の改正案には派遣労働者が生涯派遣になりかねない条文が含まれているほか、生涯にわたって賃金が低いままに抑えられかねず、格差も広がる可能性がある。格差を生み出し、女性の派遣を改めて定着させるということも含めて、非常に問題だ」と述べました。
維新の党の片山国会議員政務調査会長は「改正案には基本的には賛成だ。一方で、非正規雇用者の待遇については、あくまで同一労働・同一賃金でやるべきだ。キャリアアップなどを巡っていろいろな不自由があるので、大いに議論する必要がある」と述べました。
次世代の党の桜内政策調査会長は「改正案には賛成する考えだ。反対しても全員を正社員にすることはできず、むしろ日本の労働市場を考え直していくことが必要だ。同一労働・同一賃金は必要で、年功序列賃金のようなものを撤廃していくべきだ」と述べました。
みんなの党の中西政策調査会長は「人口減少社会の中で、多くの人に労働に参加してもらわなければならず、労働市場の流動化を図る必要がある。同一労働・同一賃金のために、派遣と正社員を均等待遇にしないといけないので、修正を求めたい」と述べました。
共産党の小池政策委員長は「改正案には反対だ。安倍総理大臣は賃上げと言いながら、なぜ賃下げの最大要因となる非正規雇用の拡大をやるのか、大いに矛盾だ。反対しているあらゆる労働団体や政党と力を合わせて、断固廃案という立場で頑張っていく」と述べました。
生活の党の畑総合政策会議議長は「本来、一時的、例外的であるはずの派遣労働が、ずっと行えるようになってしまう。同一労働・同一賃金などに関する法律がなく、非正規を正規化する手当もないなかで、一方的に法改正することは問題だ」と述べました。
社民党の吉川政策審議会長は「今回の改正案は、雇用の原則そのものを骨抜きにするもので、やってはならない。企業が必要と思ったときにだけ雇って、要らなくなったらすぐに雇用をやめてしまうということが行われることになる」と述べました。