教委制度改革案を閣議決定、国会提出へ 首長の権限強化

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 安倍内閣は4日午前、教育行政への自治体の首長の権限を強め、教育委員会制度を見直す地方教育行政法の改正案を閣議決定した。政府は同日、国会に提出する。自民、公明両党は法案に合意しており、今国会中に成立する公算が大きい。成立すれば、戦後教育を担ってきた教育委員会制度の大きな転換となる。

 今回の見直しは、2011年に大津市で起きたいじめ自殺問題で、教育行政の責任の所在のあいまいさが批判されたことなどがきっかけとなった。首長の意向を教育行政により反映させるために、権限を強化する。一方、教育委員会は教育行政を担う執行機関として残す。

 法案では、教育委員長と教育長を一体化した「新・教育長」を設置。議会の同意を得たうえで、首長が直接、教育長の任命・罷免(ひめん)をする。首長が主宰し、教育長らが参加する「総合教育会議」を各自治体の常設機関として新設。この会議では、教育行政の基本方針を定める「大綱」を協議し、首長が決定する。

 国が地方の教育行政により関与できる仕組みとして、いじめ自殺の防止など緊急の必要がある場合に文部科学相が教委に対して指示できる規定を明確化した。(池尻和生、岡雄一郎)