首相 責任野党とは積極的に政策協議を

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国会は、衆議院本会議で2日目の代表質問が行われ、安倍総理大臣は、野党との政策協議について、「何でも反対、抵抗ではなく、建設的な提案をしてくれる野党はすべて『責任野党』だ」と述べ、政策の方向性を共有できる野党とは、積極的に協議を進める考えを示しました。

この中で、公明党の井上幹事長は、中国や韓国との関係について、「現下のこう着状態から脱却するため、『対話のドアは開かれている』という状態から一歩踏み出し、わが国からも具体的なアクションを起こすことが必要だ」と指摘しました。
これに対し、安倍総理大臣は、「ダボス会議でパク・クネ大統領の講演を聞きに行き、会場でユン・ビョンセ外相など韓国政府幹部とあいさつし握手をした。中国とは、防衛当局間の海上連絡メカニズムで大筋合意し、運用開始に応じるよう働きかけを続けている。困難な課題があるからこそ前提条件を付することなく率直に話し合いを行うべきだ」と述べました。
また、安倍総理大臣は、沖縄の基地負担の軽減に関連して、「特に地元から強い要望のあったアメリカ軍の牧港補給地区については、返還までの期間を最大限短縮することを目指す」と述べました。
さらに、安倍総理大臣は、閣議の議事録の作成などを義務づける公文書管理法の改正について、「明治以来、議事録を作成してこなかったわが国の閣議の在り方とも関わる問題であり、政府部内で必要な調整・検討を行ったうえで、提出することとしたい」と述べ、改正案を提出したいという考えを示しました。
みんなの党の渡辺代表は、原子力発電所について、「原発は民間企業で扱うにはリスクが大きすぎる代物であり、稼働できない原発は、電力会社にとっては大きな不良資産だ。不稼働原発を『原発整理機構』を作って集約してはどうか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は、「わが国において、国は原発の安全性や適切な事業運営を確保するため、制度の整備や規制の実施、そして政策の方向性の決定などの役割を担い、原発の運営自体は民間事業者が責任を持って行うこととしてきた。国による原発の一括管理は、行政の肥大化や事業の非効率化など多くの課題があり、現時点で検討していない」と述べました。
結いの党の江田代表は、「自民党も含め基本政策すら一致しない政党を整理整頓することこそ、真の政界再編だ。政党政治や政界再編の在り方に、どのような絵姿を持っていて、『責任野党』とは具体的にどの政党を指しているのか」と質問しました。
これに対し、安倍総理大臣は、「政党どうしが政策を掲げて、せっさたくますることが民主主義の基盤で、政界再編が起こることもあるだろうが政権獲得だけを目指した政局本位のものであってはならない。政策の実現を目指す『責任野党』とは、柔軟かつ真摯(しんし)に政策協議を行っていく。何でも反対、何でも抵抗ではなく、国家・国民のために政策を前に進める方向性を共有し、建設的な提案をしてくれる野党はすべて『責任野党』だ」と述べました。
共産党の志位委員長は、「大企業の内部留保の一部を賃上げに活用することを経済界に正面から提起すべきだ。企業収益の拡大が先にありきでは、もうけが増えなければ賃上げしなくてもよいということになり、いつまでも先送りされてしまう」と指摘しました。
これに対し、安倍総理大臣は、「政労使会議では、これまでの行動にとらわれない新たな取り組みを大胆に実行していただきたいと申し上げた。内部留保の活用に限らず、長引くデフレで染みついた従来の行動から大胆に踏み出すよう要請したもので、ことしの春闘では、内部留保の活用の在り方も含め、各企業がそれぞれの経営状況などを踏まえて積極的な対応を行うと期待している」と述べました。
生活の党の鈴木幹事長は、政府の経済政策に関連して、「急激な円安は輸出企業に大きな収益をもたらす反面、輸入コストが上がる企業の収益を圧迫している。円安による原材料の高騰に苦しんでいるのは、わが国の経済を支えてきた中小企業だ」と指摘しました。
これに対し、安倍総理大臣は、「日本経済はここからが正念場で、より一層取り組みを強化する必要がある。成長戦略の実行の加速化により、新たな市場や需要を掘り起こし、企業の収益や雇用、所得の拡大、さらには消費や投資といった内需が拡大する好循環を実現し、地域や中小企業などにも波及させ、持続的な経済成長を実現していく」と述べました。