終戦記念日、各党が発表した談話

参照元 終戦記念日、各党が発表した談話

 各党は終戦記念日の15日、談話を発表した。全文は次の通り。

 【自民党

 本日、69回目の終戦記念日を迎えるにあたり、先の大戦で犠牲となられたわが国並びに全ての国の英霊に対し、謹んで哀悼の誠を捧げるとともに、二度とわが国が戦争への道を歩んではならないと改めて決意いたします。

 わが国は、戦後一貫して平和国家として歩み、国際社会において重要な地位を占めるとともに、世界の平和と繁栄に貢献してきました。積極的平和主義のもと、平和外交をさらに積極的に推進していきます。

 今般、政府は与党協議を踏まえ、自立した国家として国民の生命・財産を守る責務を果たすため、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」の閣議決定を行いました。国会審議等を通じ、国民のご理解を求めながら、法整備を進めてまいります。

 わが党は、平和と自由を愛する国民政党として、先人が築かれた日本を次の世代に引き継ぎ、世界平和への義務を果たし、人類共通の価値に貢献する有徳の日本を目指し、全力を尽くします。

 【公明党

 記録的な猛暑が続く中で、本日、69回目の8月15日を迎えました。終戦記念日にあたり、すべての戦争犠牲者の方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、ご遺族ならびに今なお深い傷跡を残されている戦傷病者の皆さまに対して心からお見舞いを申し上げます。

 8月15日は、「不戦」「平和」を誓い合う日です。69年前の夏、「戦争はもう二度と繰り返さない」との強い決意で平和国家として再出発した「平和・日本」の初心は、日本国憲法の平和主義に明らかです。戦争・被爆体験の風化が言われる中で、私たちは、戦争の悲惨さ、残酷さを次世代に語り継ぐ努力をさらに強めていかなければなりません。

 思えば1989年、マルタ島での米ソ首脳会談で東西冷戦の終結が宣言され、21世紀は「平和と人道の世紀」と期待されました。しかし、今も世界各地で紛争、暴力の連鎖が絶えることはなく、核兵器の脅威は核拡散という問題となって人類の生存を脅かしています。

 「戦争のない地球」を実現するには、世界の人々がテロ、貧困、飢餓、災害、気候変動、感染症、麻薬などの「構造的暴力」から開放される「人間の安全保障」の推進が重要であり、とりわけ、唯一の被爆国である日本は、核兵器の非人道性を世界に訴え、核兵器廃絶に向けてリーダーシップを発揮していくべきであります。

 公明党は、核兵器の使用はいかなる理由があっても許されぬ「絶対悪」との思想に基づき、断固たる決意で核兵器廃絶を推進してまいりました。先の8月6日には「核兵器のない世界に向けた法的枠組み」の構築を柱とする核廃絶提言をしたところであり、核兵器禁止条約の2020年締結などをめざし、志を同じくする人々と力を合わせ取り組みを加速させてまいります。

 わが党は、今年11月17日に結党50年を迎えます。世界の恒久平和実現の結党の大目的を片時も忘れることなく、「平和の党」として、「憲法の平和主義のもとで平和国家の道を歩む」との平和政策をしっかりと堅持してまいります。

 安全保障法制の整備に関する先の閣議決定においては、公明党連立政権の一翼を担っているがゆえに憲法の平和主義、専守防衛を堅持し、平和国家としての新たな安全保障の枠組みをつくることができたと確信しています。今後とも丁寧な説明責任を尽くすとともに、法律改正など立法措置に対しても引き続き責務を果たしてまいります。

 終戦記念日にあたり、公明党は、この半世紀、「平和の党」として戦い抜いてきた使命と責任をあらためて肝に銘じ、世界の平和と人類の繁栄に貢献する国づくりに邁進(まいしん)していくことを、ここに重ねてお誓い申し上げます。

 【民主党

 本日、69回目の終戦の日を迎えました。先の戦争で犠牲となられた内外すべての人々に思いを致し、国民の皆さまとともに衷心より哀悼の誠を捧げます。

 戦後、我が国は憲法に基づく平和主義を貫き、海外で武力を行使したことは一度もありません。しかし、安倍政権は今までの憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、我が国に直接武力攻撃がない場合でも自衛隊による武力行使を可能とする道を開こうとしています。国家の在り方を大きく変えるこのような重要な案件について、国民に開かれた議論を十分に行わないまま、独断で決める手法は乱暴でかつ国民に対する説明責任を放棄しており、何より立憲主義に反しています。さらに、集団的自衛権の行使を容認するための「新たな三要件」には「密接な関係にある他国」や「幸福追求の権利」等の概念が加えられていますが、武力行使の是非は時の政権の総合的な判断に委ねられ、歯止めとは到底言えません。民主党は我が国が戦後守ってきた専守防衛の原則を崩す企てには断固反対します。

 悲惨な総力戦となった第一次世界大戦の開戦から百年を経てもなお、今日の世界には、戦闘による殺りくの続く地域があり、戦禍に苦しむ人々がいます。東アジアにも緊張の火種があることは否定できません。だからこそ、私たちには、地域の平和と安定に向け、あらゆる外交努力を払うことが求められています。しかし、安倍政権は隣国との首脳会談を実現できず、総理自らが東アジアにおける平和と安全の基盤構築に向けた積極的な取り組みに背を向けていることは、遺憾の一語に尽きます。

 終戦の日にあたり、民主党専守防衛に徹し、他国に脅威をあたえるような軍事大国とならないとの基本理念を今後も堅持すると同時に、国際平和に向けて努力し続けることを誓います。日米同盟を基軸にアジア太平洋地域の平和と安定に責任を持つとともに近隣諸国との信頼醸成など平和創造の外交に力を注ぎ、真に現実的な外交・安全保障政策を追求します。

 【日本維新の会

 「戦没者を追悼し平和を祈念する日」を迎え、あらためて全ての戦没者に対し心よりの哀悼の意を表します。

 先の大戦では、三百万余の同胞のかけがえのない命が犠牲となりました。また、我が国は、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えました。

 このような戦争を二度と起こしてはならないという反省と不戦の誓いこそが我が国の平和と繁栄の礎となったことは言うまでもありません。

 これからの我が国には、将来にわたり世界の平和と安定をより盤石なものにすべく、未来志向の外交・安全保障政策が求められています。

 私ども日本維新の会は、統治機構改革によってこれを実現し、我が国が世界の平和と安定に向けた主導的な役割を今まで以上に果たせるよう取り組んでいく所存です。

 【次世代の党】

 「戦没者を追悼し平和を祈念する日」を迎え、あらためて全ての戦没者に対し、哀悼の誠を捧げるとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 今日、私たちが享受している平和と繁栄は、祖国の為に戦場に散った三百万余の同胞の尊い犠牲と、国土の復興の為に奮闘された先人たちのお陰であることを一時たりとも忘れてはならないと思います。

 昨年十二月に安倍総理戦没者追悼の中心施設である靖国神社に参拝されたことは、戦没者への哀悼を示す意義深い行為でした。春秋に行われる例大祭にも総理が参拝されることを強く望みます。

 終戦から六十九年を経ちましたが、未だに百十万余柱の御遺骨が日本に帰還しておりません。また、海外の戦没者慰霊碑や国内各地に存在する陸軍墓地海軍墓地も管理も十分ではありません。

 次世代の党は、これらの課題解決にも全力を尽くしてまいることをお誓い申し上げます。

 【みんなの党

 本日、戦後69回目の8月15日を迎えました。

 先の大戦で犠牲にあわれた全ての方々に哀悼の意を表します。我々が生きている社会は、これらの人々の思いの上にあることを忘れてはなりません。

 今もなお、ウクライナや中東などの地域では、眠れぬ夜を過ごす人が多くいます。

 我々は不戦の決意を新たにし、世界中に平和な朝が来ることを心より望み、その実現に向けて努力します。

 我が国を取り巻く国際情勢が厳しさを増す中、戦後の安全保障政策を大きく変える集団的自衛権の行使容認が閣議決定されました。

 このことにより、国民の皆様には「日本が戦争をする国になるのではないか」といった不安が生じています。政府には、国際平和と安定を希求する我が国の立場を明確に説明していく必要があります。

 現代は、テクノロジーの進歩や思想の多様化に伴い、人と人、社会と社会との対立関係がより顕在化しています。

 今を生き、未来への責任を担っている我々には、夢と平和に満ちた明日を想像し、創り出していく役目があります。

 みんなの党は、理想とする社会を熱く語り、その実現に向けた政策を冷静に考え、全力で実行してまいります。

 【結いの党】

今年も終戦の日を迎えました。日清戦争から120年、第一次世界大戦から100年の節目の年でもあります。

 世界と日本の近現代史を振り返り、再び戦争の惨禍を繰り返さぬよう誓いを新たにしたいと思います。

 しかし、折しも今、私達の眼前で繰り広げられているのは、ガザやウクライナイラクアフガニスタン等で起きている痛ましい紛争や戦火です。

 我が国自らの来し方を真摯(しんし)に振り返り、唯一の被爆国として、一体、こうした悲劇をどうしたらなくしていけるのか。

 国民の皆さんと共に思いを致す一日としたいと思います。

 【共産党

 一、戦後69周年の終戦記念日にあたり、日本共産党は、日本軍国主義が推し進めた侵略戦争と植民地支配の犠牲となった内外のすべての人々に対し、深い哀悼の意を表明します。また、この厳粛な日にあたり、おびただしい犠牲と悲惨な体験をへて日本国民が選びとった日本国憲法恒久平和主義を、国民と力をあわせて守り抜く決意を新たにします。

 一、ことしの終戦記念日は、戦争か平和かの重大な歴史的岐路のなかで迎えました。安倍政権が強行した集団的自衛権行使容認の「閣議決定」は、「憲法9条のもとでは海外での武力行使は許されない」という従来の憲法解釈を百八十度転換し、日本を「海外で戦争する国」に変えるものです。安倍首相は、国会でのわが党の追及に、アメリカが戦争に乗り出したさいに、自衛隊が「戦闘地域」まで行って軍事支援をおこなうこと、さらに相手から攻撃された場合に「武器の使用はする」として、武力行使をおこなうことを認めました。アメリカの戦争のために、日本の若者の血を流す――これこそ安倍政権がやろうとしていることの正体です。

 一、「閣議決定」は、日本に対する武力攻撃がなくても、「日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」には、集団的自衛権の行使ができるとしています。この点について、安倍首相は、「石油の供給不足」や「日米関係に重大な影響」がある場合でも武力の行使がありうると答弁し、時の政権の判断で海外での武力行使が無限定に広がることが明らかとなりました。かつて日本軍国主義が、「帝国の存立」「自存自衛」の名で侵略戦争を進めた過ちを、ふたたび繰り返すことは許されません。

 一、「海外で戦争する国」づくりの動きに対して、かつてなく広範な国民が不安と怒りをつのらせ、「何かしなければ」と感じ、行動に立ち上がっています。たたかいはこれからです。日本共産党は、憲法違反の「閣議決定」の撤回、「海外で戦争する国」をめざす立法作業の中止を強く求めます。「海外で戦争する国」づくりを許すな、解釈で憲法を壊すな――この一点での国民的共同を広げ、安倍政権による軍国主義復活の野望を阻止するとともに、安倍政権を打倒するために、力をあわせることを心から呼びかけます。

 【生活の党】

 本日、終戦記念日を迎えるにあたり、先の大戦において犠牲となられた内外のすべての人々に対し、謹んで哀悼の誠を捧げます。

 今、果たしてどれだけの方々が「戦争」というものを実感できるでしょうか。確かにこの時期メディアでは盛んに戦前・戦時中の映像が流れます。しかし、実際に戦争を体験していない国民が大半となった今、戦争の恐ろしさや残忍さを理解できる人の数は極めて少なくなっているのではないでしょうか。

 戦争は国家・国民間の感情的な積み重なりの中で、偶発的に起こり得るものです。だからこそ為政者はいつでも冷静でなければなりません。国民にも感情的な動きの自制を呼びかけて、何としても平和を維持しなければならないのです。それが政治の最大の使命です。

 しかし、この国はどこに向かっているのでしょうか。今や一内閣が憲法を無視して集団的自衛権の行使を容認し、一部メディアには、近隣の国を過激に攻撃する論調も目立つようになりました。最近では、国連から「ヘイトスピーチ」の禁止を求められています。

 このような昨今の政治状況や社会の風潮に対し、今必要なのは、戦後平和を維持するために努力を傾注してきた「先達」の声に耳を傾け、戦争の悲惨さと平和の大切さに思いを致し、可能な限り次の世代へと語り継いでいくことです。それこそが、この国を正しい方向に導く道標となります。

 わが党は、このような認識の下、過去のさまざまな歴史的教訓の上に立って、終戦記念日である本日、世界の平和と、この国のより良い未来の創造のため、引き続き全力で取り組んで参ることをここに固くお誓い申し上げます。

 【社民党

 1.第二次世界大戦の終結から69年目の8月15日を迎えました。戦争の惨禍によるすべての犠牲者に哀悼の意を捧げます。かつて国策の誤りによる戦争への道が、国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大な損害と苦痛を与えました。この歴史の事実に「痛切な反省」と「心からなるお詫(わ)び」を表明した戦後50年にあたっての「村山談話」の意義が再認識されるなかで、私たちは、多くの犠牲の上に獲得した平和憲法の偉大な価値を改めて胸に刻み、二度と戦争をしない、させない国であり続けることを誓います。

 2.戦後、日本は平和国家として歩み続け、他の国々との信頼を築く努力を積み重ねてきました。しかし安倍内閣は、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法や特定秘密保護法の強行成立をはじめ、武器輸出三原則の撤廃や自衛隊の増強、平和・民主教育から国家主義教育への転換などを画策し、「戦争ができる国」づくりを進めています。そしてついに、歴代内閣がこれまで「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の行使」を容認する閣議決定に踏み切りました。自衛隊が「専守防衛」から武力行使の「軍隊」に変貌(へんぼう)し戦争に加担していくことは、世界からの信頼を失墜させるばかりでなく、国民に多大な犠牲を強いるものにほかなりません。「自衛」の名の下で、暮らし・命と平和が壊されていくことは断じて許すわけにいきません。

 3.地上戦が行われた沖縄では、「普天間基地返還」「辺野古新基地建設反対」という県民総意が日米両政府によって公然と踏みにじられ、辺野古の埋立工事が強行されています。建設に反対する市民・県民への取締りも強化され、運動排除のために海上自衛隊掃海母艦の派遣が検討されています。米軍基地建設を「護衛」するために自衛隊を派遣する構図は、日本国民に対しても武力を行使することをいとわない安倍政権と日米同盟の本質を示すものです。11月には県知事選挙が行われます。社民党は、沖縄を「戦争ができる国」の捨て石にすることを許さず、県民とともに真の「主権回復」をめざして闘います。

 4.唯一の戦争被爆国となった日本は、非核三原則を固く誓ったにもかかわらず、「平和利用」という詭弁(きべん)による原発政策によって三たび核の脅威にさらされました。ヒロシマナガサキフクシマの惨禍がいまなお多くの国民を苦しめ、これから生まれてくる子どもたちにも事故処理の多大な犠牲を強いるにもかかわらず、安倍首相は「事故を経験したから安全技術が高まった」という屁理屈で原発輸出に邁進し、「世界で最も厳しい安全基準」という新たな詭弁を塗り重ね再稼働を進めようとしています。「人類と核は共存できない」という国民の怒りの声を結集し、脱原発を実現していきます。

 5.「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」との決意を表明した日本国憲法前文は、戦禍を生き延びた先人たちの「国民総意」であると同時に、戦後日本の平和と繁栄を築く指針となってきました。社民党は、安倍政権による「戦争ができる国」づくりを阻止するとともに、「恒久の平和」を願ったこの決意の尊さを次世代に引き継いでいくことを誓います。

 【新党改革

 終戦の日にあたり、深く思いを致し、平和国家としての道を歩むよう全力で努力を続けて参ります。