首相 “新労働時間制度は健康確保前提に”

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国会は、参議院本会議で安倍総理大臣の所信表明演説に対する2日目の代表質問が行われ、安倍総理大臣は、働いた時間ではなく成果に応じて報酬を決める新たな「労働時間制度」について、「長時間労働を強いられることがあってはならない」と述べ、労働者の健康確保を前提に制度を構築していく考えを示しました。

この中で公明党の山口代表は、政府が創設を目指す、働いた時間ではなく成果に応じて報酬を決める新たな「労働時間制度」について、「長時間労働の是正や過重労働の防止など、労働者の健康確保が大前提だ。労働者も使用者もともに順守すべき安全・衛生の観点を踏まえた議論が進められることを期待する」と述べました。
これに対し、安倍総理大臣は「長時間労働を強いられることがあってはならず、制度的な対応の在り方を検討する。希望しない人には適用しない、職務が明確で高い職業能力を持つ人材に絞る、賃金が下がることのないようにするという3原則の下、対象となる勤労者の健康確保を前提に制度を構築できるよう議論を進めていく」と述べました。
また、安倍総理大臣は、法人税の実効税率の引き下げについて「日本の競争力を高める観点から法人税を成長志向型に変革していくことで、経済の好循環を通じ国民生活の向上につながると考えている。赤字企業にも課税する『外形標準課税』の在り方は、地方経済を支える中小企業や小規模事業者への配慮の観点も含め検討していく」と述べました。
みんなの党の行田広報委員長は、来年10月に予定されている消費税率の10%への引き上げについて「ことし12月には、来年秋の消費税再増税を判断するタイミングが来るが、18か月で2度の増税で税金の重みが景気に暗い影を投げかけている。12月まで待たずに早めに増税凍結を決断されたらいかがか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「消費税率の8%への引き上げに伴う駆け込み需要の反動減により、ことし4月から6月までの実質GDP=国内総生産の成長率は前期比で年率マイナス7.1%となったが、全体的には経済成長は続いていると考えている。消費税率の10%への引き上げは冷静な経済分析を行ったうえで、経済状況などを総合的に勘案しながら、ことし中に適切に判断していく」と述べました。