公明・山口代表「軽減税率実行に役割」(党首に聞く)

参照元 公明・山口代表「軽減税率実行に役割」(党首に聞く)

 ――なぜ今解散ですか。

 法律で決まっていた消費税率引き上げの日程を変え、低所得者対策として軽減税率の実現を目指す。財政健全化との関係で(増税の)再延期はしない。こうした新しい枠組みは法律を改正し、国会で審議しなければならない。その前提として国民に信を問い、理解を求めることは民主主義の大切なプロセスだと思う。解散の大義は十分にある。

 ――アベノミクスは成功しているのですか。

 成功か失敗かのオール・オア・ナッシングでは必ずしもない。2年間というわずかな期間で、民主党政権と比べて着実に効果を生んでいる。名目賃金は上昇し、経済の好循環がうまれつつある。しかし、今春の消費税率3%引き上げの影響が残り、急激な円安で物価高も起きている。(税率が上がるまでの)2年半の間に実質的にも賃金上昇を生み出していく。その点では道半ば。いよいよこれからが正念場だ。

 ――食料品などの税率を下げる軽減税率には自民党財務省の一部が反対している。実現できますか。

 税収の目減りを最小限にとどめたいという財政当局や政治の配慮もあるかもしれない。しかし国民の要望を第一に考えれば、軽減税率導入を求める声は多い。その実行のために公明党が役割を果たす。そう有権者に訴えていきたい。

 ――集団的自衛権行使容認をめぐり、首相と考えに温度差を感じます。

 (行使容認をめぐる)閣議決定は、これまでの政府の憲法解釈の基本を踏襲し、論理的整合性を保っている。武力行使を行うのは我が国の防衛に限るわけです。首相も閣議決定に示された憲法解釈は、これが限界で変えようとすれば憲法改正が必要と述べている。

 ――公明党は与党になって以来、「下駄(げた)の雪」と揶揄(やゆ)され続けています。

 自民党と決裂させたい願望を持つ人がそういうことを言いたがる。公明党の役割を下駄にたとえれば、鼻緒の役目。鼻緒が切れれば、下駄は使いものにならない。単なる下駄の雪というのは極めて実態をみない言い方だ。