首相 企業に改めて賃上げ促す

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安倍総理大臣は衆議院予算委員会基本的質疑で、「復興特別法人税」を1年前倒しして廃止することについて、「大企業の内部留保をためるために廃止したわけではない」と述べ、デフレからの脱却に向けて企業に改めて賃上げなどへの取り組みを促しました。

この中で、みんなの党の大熊政策調査会副会長は、国家公務員制度改革について、「医療や農業、教育などの岩盤規制を突破していく土台であり、すべての政策分野の改革の基だ」と指摘し、政府の対応をただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「国家公務員制度改革の関連法案は、重要政策の実現などのため、戦略的な人材配置を実現することや、公務員が責任を自覚して職務を遂行できる体制をつくるという改革の目的を適切に具体化したものだ。先の臨時国会で自民・公明・民主の3党の合意がなされており、早期に成立させていただきたい」と述べました。
結いの党の柿沢政策調査会長は、今年度の補正予算案について、「財政法上、正当化できないような不要・不急の基金の積み増しをした支出項目が多く見受けられる」と指摘しました。
これに対し、麻生副総理兼財務大臣は「補正予算案は、消費税率引き上げに当たって、経済の成長力を底上げし成長軌道に戻すためのものだ。4月に新年度予算が成立してからでは間に合わない事業に重点的に予算をつけるため、基金に目をつけた」と述べました。
共産党佐々木憲昭衆議院議員は、法人税に上乗せされている復興特別法人税を1年前倒しして廃止することについて、「減税の多くは内部留保に回っており、法人税を下げたら賃上げにつながるという考え方は間違っている。中小企業に直接支援を行って、最低賃金を底上げすべきだ」とただしました。これに対し、安倍総理大臣は「大企業の内部留保をためるために復興特別法人税を1年前倒しして廃止したわけではない。確かに評判は悪かったが、経営者に対しては『政府はそこまでやったのだから、賃金に結びつけ、下請け企業などが消費税を転嫁できるように』とお願いした」と述べ、デフレからの脱却に向けて企業に改めて賃上げなどへの取り組みを促しました。生活の党の畑総合政策会議議長は、道徳の教科化について、「東日本大震災被災地では、みんなが助け合い、郷土心と愛国心を持って行動した。今さらどんな道徳心を鼓舞する必要があるのか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「被災地でお互いに助け合ったことは、世界の人々からも称揚され、日本人の誇りだった。しかし、学校でいじめを苦に子どもたちがみずから命を落としているのも事実だ。いじめはひきょうな行為だと規範意識を教え、日本人としてのアイデンティティーをしっかり確立していくことも大切だ」と述べました。
一方、今年度の補正予算案を巡って与野党は、4日午後、衆議院予算委員会で締めくくりの質疑と採決を行い、衆議院本会議に緊急上程して採決することで合意しました。
また、参議院予算委員会では、5日から2日間、基本的質疑を行ったうえで、6日のうちに締めくくりの質疑と採決を行うことで合意しました。